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うつ病の夫・妻から離婚したいと言われ…うつ病・精神病を理由に離婚できるの?

2018年02月14日
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うつ病の夫・妻から離婚したいと言われ…うつ病・精神病を理由に離婚できるの?

結婚後、あなたの夫・妻がうつ病になってしまい、突然離婚を切り出されたら、どのように対処したらよいのでしょうか?
できれば支えていきたいと思う気持ちもあるでしょうし、病気の配偶者の言い分をそのまま受け入れてしまって良いのかどうかなども、心配になるでしょう。
今回は、うつ病の夫・妻から突然離婚を切り出されたときの法的な考え方と対処方法を、ベリーベスト法律事務所 名古屋オフィスの弁護士が詳しく解説いたします。 また、そもそもうつ病を理由に離婚できるのかも問題ですし、離婚の際に相手から慰謝料請求される可能性はあるのかも、気になるところです。

1、うつ病は、離婚原因になるのか?

うつ病は、離婚原因になるのか?
  1. (1)法律上の離婚原因

    うつ病の夫・妻から突然離婚請求をされたとき、どのように対応したら良いのでしょうか?
    このようなケースでは、当初は婚姻関係を継続しようと思っても、話をしている間に双方の関係が悪化して、離婚を望むようになるケースが多いです。
    そこで、そもそも、うつ病が離婚原因として認められているのか、法律の考え方を確認しておきましょう。

    民法は、5つの裁判上の離婚理由を定めています(民法770条1項各号)。
    その内容は、以下の通りです。

    • ①不貞
    • ②悪意の遺棄
    • ③3年以上の生死不明
    • ④回復しがたい精神病
    • ⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由


    「うつ病」は、①②③でないことは明らかです。
    問題になりそうなのは、④の回復しがたい精神病です。
    そこで、以下では、回復しがたい精神病で離婚できるケースが、どのような場合なのか、説明します。

  2. (2)回復しがたい精神病とは

    回復しがたい精神病と言えるためには、治療を続けても回復する見込みがなく、非常に強度の精神病であることが必要です。

    離婚が認められることの多い精神疾患は、以下のようなものです。

    • 統合失調症
    • 偏執病
    • 若年性認知症
    • 躁うつ病

    など

    反対に、以下のような精神症状では、離婚は認められません。

    • アルコール依存症
    • 薬物依存症
    • ノイローゼ、ヒステリー

    など

    うつ病の場合、それが強度で夫婦生活を送ることに重大な支障が発生していたら、「回復しがたい精神病」として、離婚理由となります。

2、うつ病である側から離婚請求できるのか?

うつ病である側から離婚請求できるのか?

うつ病の夫・妻から離婚請求をされても、「絶対に離婚したくない」、という方もおられます。
そこでうつ病にかかった配偶者の方から離婚請求ができるのか、考えてみましょう。

上記の「回復しがたい精神病が離婚原因になる」というのは、精神病ではない配偶者が精神病の相手に離婚請求を求めるケースです。
精神病の当事者から離婚請求することができるかどうかは、また別だからです。

そこで、再度民法770条1項各号の離婚原因を見直してみましょう。

たとえば、夫に「①不貞行為」がある場合、「②悪意の遺棄がある場合」などには、妻からの離婚請求が認められる可能性があります。
夫が他の女性と不倫していたために妻がうつ病になったケースや、夫が妻に生活費を渡さなかったり家に寄りつかなかったりして妻を見捨てていたために妻がうつ病になったケースでは、妻からの離婚請求が認められるということです。

また、「⑤婚姻を継続し難い重大な事由」によって離婚が認められるケースもあります。
たとえば、以下のような場合です。

  • 夫から妻に対するDVによって妻がうつ病になったケース
  • 妻のうつ病やその他の事由が原因となり、夫婦が不仲になって、通常のコミュニケーションもなくなり、夫婦関係が破綻していると言えるケース


これらのケースに対し、夫にそういった落ち度や夫婦関係が破綻している事情がない場合、基本的に妻からの離婚請求は認められません。
妻が、自分のうつ病を理由にして夫に離婚請求することは、通常ありません。

3、離婚原因がない場合の対処方法

離婚原因がない場合の対処方法

結論から言うと、うつ病の配偶者から離婚請求を受けたとき、特に法律上の離婚原因がないことも多いです。

離婚原因がない場合、離婚に応じるかどうかは、ご本人の意思に委ねられます。
もし、離婚に応じようと思うのであれば、うつ病の配偶者と話し合いをして協議離婚をすると良いですし、離婚したくないのであれば、断ってもかまいません。
協議離婚をするときには、財産分与や慰謝料、親権や養育費などの離婚条件についても話し合い、決定する必要があります。
また、うつ病の夫・妻から離婚を請求されたときに協議離婚の話し合いを断っていると、離婚調停や離婚訴訟をされる可能性があります。

4、うつ病の夫・妻から慰謝料請求される?

うつ病の夫・妻から慰謝料請求される?
  1. (1)慰謝料が発生するケースとしないケース

    うつ病の夫・妻と離婚することになったとき、相手に慰謝料を支払わなければならないのか、心配になる方も多いでしょう。
    うつ病である配偶者側から、慰謝料請求することはできるのでしょうか?

    この問題は、離婚原因と関係します。
    たとえば、離婚請求の理由が、夫の不貞や悪意の遺棄、夫によるDVなどの「有責行為」である場合には、慰謝料が発生します。
    これに対し、特に夫に有責性がない場合には、慰謝料は発生しません。
    妻がうつ病であっても、単に「うつ病になっているから」という理由で慰謝料が発生することはありません。

  2. (2)うつ病が原因の離婚は、解決金を支払うケースも多い

    ただし、うつ病の夫・妻と離婚するときには、相手に対し解決金を支払うことが多いです。
    解決金とは、支払うことによって、トラブルをすべて終わらせるための金銭です。
    特に有責性がなくても、あえて解決金を支払うことで、お互いに円満に離婚問題を解決するのです。

    たとえば、パートナーの仕事が忙しすぎてコミュニケーションが少なかったことが、うつ病の発症に影響したというようなケースでは、一定の解決金を支払うべきと言えるでしょう。また、妻の離婚後の生活が心配な場合にも、解決金として多めのお金を妻に渡すことがあります。
    解決金という名目にせず、次に説明しますが、財産分与において、妻の取得分を多くする方法もあります。

5、うつ病と財産分与

うつ病と財産分与について

うつ病の夫・妻と離婚するときにも、財産分与が問題となります。

財産分与をするときには、原則、夫婦共有財産を2分の1ずつとします。
ただし、協議離婚や調停離婚をする場合、財産分与の割合や内容は夫婦が話し合って自由に定めることができます。

離婚後のうつ病の配偶者の生活が心配なケースなどでは、うつ病である相手の取得割合を増やしたり、夫婦の財産をすべて相手に分与したりしてもかまいません。
もちろんそのような配慮をしたくない場合には、原則通り2分の1ずつにすることも可能です。

6、うつ病である配偶者からの離婚を拒絶し続けたらどうなる?

うつ病である配偶者からの離婚を拒絶し続けたらどうなる?

うつ病の夫・妻からの離婚請求を拒絶し続けているとどうなるのかについても、確認しておきましょう。
この場合、うつ病である配偶者が家庭裁判所で離婚調停を起こしてくる可能性があります。
調停手続きでは、調停委員を介して配偶者と話し合いを行いますが、離婚を強制されることはありません。
離婚に合意できない場合、調停は不成立となります。

調整が不成立となった場合、相手が離婚訴訟を起こしてくる可能性があります。
このときには、裁判所が法律上の離婚原因があるかどうか、判断します。
たとえば不貞行為などがある場合や、婚姻生活を継続し難い重大な事由(夫婦関係の破綻原因)があると判断されたら、離婚が認められますが、そうでない場合には相手からの離婚請求は棄却されます。
離婚請求が棄却されたら、そのまま結婚生活が続いていくことになります。

7、うつ病の場合、親権を取得できる?

うつ病の場合、親権を取得できる?

夫婦に未成年の子どもがいる場合には、離婚後の親権者を決定する必要があります。
うつ病の夫・妻と離婚するとき、うつ病である側が子どもの親権者となることはできるのでしょうか?

これについては、うつ病の程度によります。
うつ病であっても、子どもの養育能力があれば、親権者となることは可能です。
親権争いになると、一般的に「子供には母親が必要」とされ、男性より女性側に親権が渡るケースが多いです。そのため、たとえ相手がうつ病であっても、妻に子どもの親権をとられてしまうことは十分にあり得ます。

しかし、「うつ病の状態が重く、子どもを健全に育てていける状態ではない」ということを証明しようとしても、なかなかうつ病の程度を証明する証拠は手に入りにくいものです。
もしも、あなたが夫側で「うつ病の妻に親権を渡したくない」「うつ病の妻に子どもを任せるのは心配だ」という場合には、離婚を慎重に検討すべきでしょう。

反対に、妻がうつ病であっても親権者になってもらうことは可能です。
ただし、親権者を無理に相手に押しつけることはできません。
離婚の際の親権者については、お互いが納得できるようにしっかりと話し合って決めましょう。

8、うつ病の相手に対し、離婚請求はできるのか

うつ病の相手に対し、離婚請求はできるのか

ここまで、うつ病の配偶者から「離婚を請求された」ケースについて解説をしましたが、最後に、逆パターンについても押さえておきましょう。
「離婚を請求された」場合ではなく「相手配偶者がうつ病になった場合、自分から離婚請求が認められるのか」という点についても解説します。

統合失調症などの回復しがたい精神病にかかっているからといって、どのようなケースでも離婚が認められるわけではありません。
回復しがたい精神病で離婚が認められるためには、以下の2つの要件を満たす必要があります。

回復しがたい精神病で離婚が認められるための要件
  • 配偶者がこれまで献身的に介護をしてきたこと
  • 配偶者の離婚後の生活が保障されていること


まずは、献身的に介護してきたことが必要です。
何のケアもせず、いきなり相手を見捨てるように離婚することはできません。
また、離婚後、うつ病である配偶者が生活に困らないことも必要です。

たとえば、実家に戻って生活ができるのか、施設などに入るあてがあるのか、生活保護を受けながら自力で生活していける状態なのか、などが問題となってきます。

以上のように、配偶者がうつ病の場合、うつ病の程度が非常に強く、まともに夫婦のコミュニケーションもできない状態で、これまで献身的に介護してきており、離婚後の生活が保障されていたら、離婚請求することができます。

9、うつ病で離婚を考えたら弁護士へ相談を

うつ病で離婚を考えたら弁護士へ相談を

うつ病の夫・妻から離婚請求をされたら、まずは離婚に応じるのかどうか、しっかり検討する必要があります。
離婚に応じるなら、どのような条件で離婚をするのか、きちんと話し合わなければなりません。うつ病といっても、人により程度は大きく異なります。自分たちの場合には離婚が認められるのかどうか、見極めることが必要です。

しかし、自分1人でうつ病のパートナーとの話し合いを継続しても、話し合いが思うように進まず、離婚の手続きをとても具体的に進められない、いうケースは多いでしょう。
そんなときには、法律の専門家である弁護士のサポートを受けることをお勧めします。

ベリーベスト法律事務所では、多くのケースで離婚トラブルを解決に導いてきました。
うつ病によって離婚をお考えの場合には、お早めに名古屋オフィスの弁護士へご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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