夫婦喧嘩に疲れて離婚したい|子どものために考えるべきこと
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愛知県名古屋市が公表する人口動態統計によると、令和4年の離婚件数は3717組でした。中には、子どもがいるご夫婦も多く含まれていることでしょう。
夫婦喧嘩が長く続けば、当人同士は当然疲弊します。しかし、離婚したいと考えている方の中には「子どものために離婚をしない方がよいのではないか」「今後の生活が不安」などと、今の状況を変えることもできず、なかなか離婚に踏み出せないお母さんも多いのではないでしょうか。
そこで本コラムは、「離婚は子どもにとってデメリットしかないのか」「子供のために離婚すべきか」と悩んだときに知っておくべき離婚のメリット・デメリットと、考えておくべき注意点を、ベリーベスト法律事務所 名古屋オフィスの弁護士が解説します。
1、離婚するメリットはあるのか?

子どもがいるのに離婚するなんて、と思う方はいまだに少なくないようです。しかし、子どもがいるからこそ離婚を検討すべきケースがあります。
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(1)最大のメリットはストレスの軽減
離婚によってあなたが得られる最大のメリットは、ストレスからの解放です。
夫婦喧嘩にも種類がありますが、一方的に詰められたりあるいは双方が怒鳴りあったり、さらには互いに無視しあうような状態が続いている相手から離れることで、精神的に心の安定が生まれることでしょう。
とくに、ストレスによって不健康になるほどの状況にいた人は、離婚後に健康を取り戻せるケースも少なくありません。生活が落ち着く頃には気持ちも安定して、笑顔で過ごせるようになったという声はよく聞きます。 -
(2)離婚は子どものためにもなりうる
喧嘩の絶えない夫婦だった場合、子どものためにも離婚をしてよかったと感じるお母さんは多いです。
離婚をするとストレスが軽減され、自然とお母さんの気持ちは楽になります。
すると、その気持ちがお子さんにも伝わり、自然とお子さんにも笑顔が増えていきます。そんなお子さんを見ていると、離婚を申し訳なく思う気持ちはある反面「離婚してよかった」とも思うようです。
また、夫婦喧嘩が幼少期に与える影響は、アダルトチルドレンの原因となる可能性があります。愛情のない家庭環境で育った子どもは、成人しても精神的成熟度が低く、心理的外傷やトラウマとして、PTSDの症状に陥りやすいと、臨床心理学の検証でも発表されているようです。
実は、子どもの前で夫婦喧嘩をしていると子どもに対して何かしらの悪影響を与えてしまっているのです。
代表的な例を挙げると、- 父親(男性)または母親(女性)に対する悪い固定観念が生まれてしまう
- 両親の不仲は自分のせいだと思わせてしまう
- 結婚生活をよく思えず、結婚したくないと思わせてしまう
- 強いストレスを感じ、精神疾患を発症させてしまう
などです。
「幼い頃のトラウマが原因で上手に生きられなくなっている」と大人になってから気付く人もいると言われています。
夫も気付かないほど、完璧に「仲のよい夫婦」を演じられるなら話は別です。
でも、子どもの前で大喧嘩を繰り返すような状況なら「離婚をする」という決断は子どものためにもなると言えるのではないでしょうか。
2、デメリットは別のストレスが生まれること

残念ながら、離婚にはメリットだけでなくデメリットもあります。
専業主婦なら、これから経済的な安定がなくなるため、お金の問題に直面します。
実は、離婚はお金の問題よりも、「離婚したけど、これからどうしよう。」という、将来に対する不安に押しつぶされ、心の整理もつかずストレスで体調が悪化することもあります。
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(1)離婚すると生活の質が低下しうる
1つ目の離婚によるデメリットは、離婚をする前よりも生活の質が下がってしまう可能性が高いことです。
仮にこれまで共働きをしていた場合、2人分だった収入は単純に考えて半分になってしまいます。すると、住んでいるマンションや食生活などのランクダウンもせざるを得ません。
「子どものために」と思って離婚をしたにもかかわらず、結果的に子どもに我慢をさせなければいけないシーンが増える可能性はあるでしょう。
また、生活の質には金銭的なことだけではなく、時間や心、体力の余裕も関係しています。
これまで専業主婦だった人は、家事と育児のみを行っていた毎日に仕事が加わります。
きちんと時間をかけて行っていた家事や育児は、これまでとまったく同じようにはできなくなるかもしれません。
このように、離婚後の新しい生活にはまた別のストレスが生まれ、生活の質を低下させてしまう可能性も十分に考えられます。 -
(2)子どもに寂しい思いをさせてしまう可能性も
離婚によるストレスを感じるのは親だけではありません。
少なからず、お子さんにも寂しい思いをさせることやストレスを感じさせてしまうことはあるでしょう。
両親が離婚したことでストレスを感じたことは?- 名字が変わって、学校でいじめられた。
- どちらの両親と一緒に住むかを選ばされた。
- ひとり親であることは周りの友達に言えない。
離婚をしたことにより、子どもにも生活の変化が訪れます。
たとえば、転校や引っ越しをすれば仲のよい友達と別れなければいけません。
また、ひとり親になることへの不安は親が思うよりも大きなものです。
ほかにも、名字が変わってしまうことを嫌がるお子さんや、友達に両親の離婚を知られたくないと考えるお子さんも少なくないのではないでしょうか。
その結果、本当に離婚は子どものためになったのかと悩むお母さんもいるようです。
さらに、離婚をしたお母さんはひとりでお子さんを養っていくために必死で働かなくてはいけません。お子さんが小さければ、保育園へのお迎えが遅くなることもあるでしょう。また、参観日などの行事に参加できず、お子さんに寂しい思いをさせてしまう可能性もあります。
3、離婚を決意する前に考えなければいけないこと

子どものために離婚をしようと考えているなら、メリットやデメリット以外にも考えておかなければいけないことがあります。
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(1)ひとりで育児をする覚悟はあるのか
子どものために離婚をするなら、子どもをひとりで育てていく覚悟があるのかどうかはとても大切なことです。もちろん覚悟だけではどうにもならないこともあります。
でも、そもそもの覚悟ができていなければ、それこそどうにもできません。
先ほど離婚によるデメリットにも挙がっていたように、離婚をすると生活の質が下がったり子どもに寂しい思いをさせてしまったりします。
それでもお子さんが幸せだと感じられるかどうかは、お母さんが笑顔でいられるかどうかにかかっています。そして、お母さんが笑顔でいられるかどうかには、お母さん自身がどれほどの覚悟をもって離婚に踏み出したかということも大きく関わっているのです。
たとえば、何でも両親に頼れば何とかなると思っているようでは自立した生活を送ることは難しいでしょう。
また、子どもが独り立ちできるようになるまでにはいろんな困難が訪れます。
もしお母さんに覚悟がなければ、子どもの困難に一緒に立ち向かっていくことさえできないかもしれません。
子どものために離婚をするなら、まずは覚悟を決めましょう。 -
(2)親権はどちらが得られそうか
離婚に向かって動き始める前に、親権についてもしっかり考えておいてください。
離婚時に親権者については定めなければなりませんが、夫婦の話し合いで決まらない場合は最終的には裁判所が決めることになります。
裁判所が親権者を決める場合、親権は、子どもが小さい場合は母親にわたるケースが多いです。それは、幼い子どものためには母親が必要だと考えられているからです。
子どもが15歳以上の場合は、本人の意思が尊重されます。
15歳になっていなくても、ある程度の年齢(おおむね中学生以上)になっており、本人が強く望めばお子さんの意思は尊重されるでしょう。
また、母親の就労状況や育児への姿勢、健康状態などによって父親に親権がわたる場合もあります。父親が母親よりも育児に適した環境で働ける場合などにも、父親の親権を認められるケースはあるようです。
いずれにしても、もし親権について調停などで争うことになれば「子どもの幸せ」を基準に判断が下されます。
離婚を計画的に進められる状況であれば、先に仕事や住む場所などを確保しておくとよいでしょう。 -
(3)生活費は自分で稼げるか
子どものために離婚を考えているなら、離婚後の生活費は自分でやりくりできるのかをきちんと計算しておくことも大切です。安易な考えでシングルマザーになると、自分だけでなくお子さんにも金銭的なストレスを与えてしまう可能性があります。
たとえば、今と同じ働き方ができなくなれば残業代が減るかもしれません。
また、住む場所によって家賃なども大きく変わります。
それ以外にも、引っ越し費用は用意できるのかなどの具体的なことも考えておきましょう。
養育費や慰謝料を当てにして離婚をする人もいますが、途中で支払われなくなるケースもあります。万が一の事態を想定して、自分ひとりの収入できちんと生活できるような仕事を確保しておくと安心ですね。
また、離婚後の児童扶養手当を受け取れるかどうかには同居家族の収入も関わっています。
もし実家に戻ってご両親と同居するなら、ご両親どちらかの収入が所得制限を上回っていないかどうかを確認しておきましょう。 -
(4)離婚以外の選択肢はないのか
「子どものために」と離婚を考えているなら、本当に離婚しか選択肢はないのかをもう一度よく考えてみてください。
また、なぜ離婚をしたいと思い始めたのかという点も思い出してみましょう。
自分の気持ちを分かってくれないから離婚しようと思った場合、努力次第では夫婦仲を改善できる可能性もまだありますよね。 夫婦といえども、口に出さなければ考えていることは伝わりません。
お互いの気持ちを伝えあい、お互いに歩み寄ることさえできれば1年後には何かが変わっている可能性もあります。まだご自分のつらさや考えていることを旦那さんにお話しされていないなら、一度ふたりできちんと話し合ってみてはいかがでしょうか。
また、どうしても離れたいなら別居もできます。本当に子どものためを思うなら、離婚をするかしないかだけでなく、さまざまな選択肢を視野に入れて考えてみましょう。
離婚は、家族全員の人生を大きく左右することです。
「思い立ったが吉日」とは言いますが、すぐに白黒つけようとせずにゆっくり時間をかけて考えてくださいね。
4、離婚について相談するときの注意点

離婚を迷っているうちは相談しない方がよいとされている人もいます。
たとえば、自分の両親や兄弟姉妹などです。やはり他人事ではないので、怒りがおさまらず大ごとにしてしまう可能性もあります。
すると、本人たちの気持ちは追いついていないのに離婚話が進んでしまうこともあるようです。できれば、両親などの家族へは気持ちが固まってから報告するとよいでしょう。
また、家族以外の誰かに相談するときは、離婚に反対しそうな人に意見を聞くことも大切です。迷っているときは、同意してくれそうな人だけに相談したくなりがち。
でも、きちんと冷静に判断するためには反対意見も必要です。
たとえば、離婚の経験があっても幸せな生活を送っているシングルマザーの友人に意見を聞いたら、反対に夫婦仲のよい友人にも意見を聞いてみましょう。
どんな人でも、幸せそうに見えて実は大変な思いをしながら生活している可能性はあります。
知人や友人に相談しづらい人は、自分のことではないフリをして意見を聞いてみてはいかがでしょうか。また、インターネットで離婚について相談している人へのコメントなども意外と参考になります。
女性だけでなく、男性の意見を聞くことで気付くこともあるかもしれません。
子どものためにも、どんな意見もきちんと受け入れてよく考えたうえで判断してくださいね。
5、子どものために離婚するべきか悩んだら弁護士へ

以上のように、「子どものために離婚したい」とお悩みの方が考えるべきことはたくさんあります。これらのことを踏まえたうえで、離婚をするには具体的にどのように進めたらよいのか、お悩みのもいらっしゃるのではないでしょうか。
ベリーベスト法律事務所 名古屋オフィスの弁護士は、離婚・男女問題に経験豊富な弁護士が所属しています。
実際に離婚するときには、法的にどのような請求ができるのか、どのように離婚の手続きを進めていくのか、離婚後の養育費・親権の問題など、押さえておくべき事項が非常にたくさんあります。離婚時に、手続きや条件をあいまいなまま離婚してしまうと、離婚後にトラブルに発展しかねません。
弁護士に相談をすると、離婚に必要な知識や具体的な対応方法についてアドバイスを受けられるので、有利な条件で離婚の手続きを進めることが可能です。
「子どものために離婚したい」と思ったら、ぜひ名古屋オフィスの弁護士へご相談ください。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています