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離婚はせずに不倫相手に慰謝料を請求する方法は? 請求する際の注意点や手順について解説

2019年06月20日
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離婚はせずに不倫相手に慰謝料を請求する方法は? 請求する際の注意点や手順について解説

夫婦間には、その二人にしかわからないさまざまな事情やトラブルがあります。司法統計によると、平成29年度中に名古屋地方裁判所で取り扱われた家事審判や調停のうち、「婚姻中の夫婦間の事件」数は2784件でした。

中でもとりわけ目立つのが、不倫です。信じていた夫や妻が別の人と不倫をしていたと知ったら、誰でも強い精神的ショックを受けるでしょう。「不倫=夫婦関係は修復不可能」と考えて離婚するケースも非常に多いですが、離婚をせずに信頼関係の再構築を目指す方ももちろんいらっしゃいます。

「夫(妻)に対して、自分にも至らないところがあったかもしれない」と反省する一方で、不倫相手に対しては怒りが収まらないかもしれません。既婚者と知りながら夫(妻)と恋愛関係になった不倫相手に対しては、慰謝料を請求するという方法があります。

この「不倫相手に対する慰謝料請求」は、離婚しない場合でも可能かどうか疑問に思われたかもしれません。今回は、離婚しない場合に不倫相手に慰謝料を請求する際の基礎知識や注意点について、名古屋オフィスの弁護士が解説します。

1、離婚しなくても不倫相手に慰謝料は請求できる?

結論から述べますと、離婚しない場合でも不倫相手に慰謝料を請求することは可能です。そもそも、不倫が原因である慰謝料とは、“不倫による精神的苦痛に対する損害賠償金”のことをいいます。
たとえ離婚しなくても、配偶者に裏切られたことで心に負った傷はなかなか癒えないものです。不倫相手から慰謝料を受け取ることで、やるせない気持ちに決着をつけるという方法がとられているのです。

2、慰謝料の請求先と請求するための条件

  1. (1)慰謝料は、配偶者と不倫相手のどちらにも請求できる

    不倫は、法律上「共同不法行為」として扱われています。つまり、不倫をした夫(妻)とその不倫相手が、共同であなたを傷つけたということです。それにより、慰謝料はどちらにも請求できる可能性があります。
    離婚しない場合、今後も夫婦の財布が同じであることが多いため、夫(妻)に慰謝料を請求しても変わらないでしょう。そのため、実際には不倫相手だけに慰謝料を請求するケースが多いです。

    ただし、加害者のひとりである不倫相手が「共同責任のはずなのに自分だけ負担が大きすぎる」と感じた場合には、もう一方の加害者であるあなたの配偶者に請求できることもありますので注意が必要です。この権利を「求償権」といいます。求償権については、後ほど詳しく説明します。

  2. (2)慰謝料を請求するための条件

    不倫相手に慰謝料を請求する場合には、いくつかの条件を満たしていなければなりません。
    不倫の事実を知ったら怒りと悲しみでパニックになってしまうかもしれませんが、衝動的な行動は逆効果です。かえって、被害者であるあなたが不利な立場に追い込まれてしまうこともあります。
    以下の条件に当てはまるかどうかチェックしてから、冷静に行動しましょう。

    ①不倫の事実を客観的に証明できる証拠がある
    不倫相手に慰謝料を請求する場合、「とても怪しい」「絶対にそう思う」という個人的な勘や推測だけでは不十分です。二人のことをよく知らない第三者から見て、不貞行為(不倫)があったと思える程度の証拠がないと難しい傾向にあります。

    やましい気持ちを抱えながら既婚者と交際していた不倫相手を証拠もなしに問い詰めても、ほとんどの場合否定されてしまうでしょう。不倫相手の責任を追及するためには、被害者であるあなたが証拠を集めて、不倫があった事実を証明しなければならないとされています。これを、法律用語で「立証責任」があると言います。

    不倫の証拠としては、以下のようなものがよく提出されます。

    • 肉体関係を推定させる写真・動画・メッセージ(スクリーンショットなど)
    • ラブホテルの領収書
    • クレジットカードの明細書
    • 配偶者か不倫相手が不倫の事実を認めた念書や録音データなど


    ②配偶者と不倫相手との間に肉体関係があった
    不倫を理由に慰謝料を請求するには、配偶者と不倫相手との間に肉体関係(不貞行為)があったと認められる必要があります。
    キス、デート、手をつなぐ、抱擁するなどだけでは、不倫として認められない傾向にあります。

    ただし、肉体関係なしの「プラトニック不倫」でも不倫相手に対する慰謝料請求が認められるケースもあります。
    この辺りの具体的な判断は非常に難しいので、弁護士に相談することをおすすめします。

    ③「夫(妻)が既婚者である」ということを不倫相手が知っていた
    不倫という共同不法行為の責任を追及するためには、不倫相手に故意または過失があることが条件となります。つまり、「既婚者であることを知っていた(故意)」、もしくは「普通の人なら既婚者であると気づくべき状況であったのに、気づかなかった(過失)」ということである必要があるのです。

    もし、あなたの配偶者が「自分は独身である」と、不倫相手を巧みにだましていた場合、そしてそのうそを見破るのが極めて難しいような状況だった場合には、不倫相手には落ち度はないと言えます。反対に、不倫相手があなたの配偶者を訴えてくる可能性があります。

    ④不倫時点で夫婦関係が破綻していなかった
    もし不倫の時点ですでに夫婦関係が破綻していた場合、不倫相手に慰謝料を請求できない可能性があります。

    夫婦関係のコミュニケーションや信頼関係がほとんどない状態、不和のため別の住居で暮らしている(別居)状況、一緒の家で生活しているものの、すでに離婚について具体的な話し合いや準備を始めていたこと等は、「破綻」を示す一つの事情になるでしょう。
    単身赴任や家庭内別居は「夫婦関係の破綻」に当てはまらないと判断される傾向にあります。
    「破綻」が認められるか否かは、別居期間や、婚姻期間、夫婦の意思や未成熟子の有無など、いろいろな事情から総合的に判断されます。

    ⑤不倫を知ったときから3年以内に慰謝料を請求すること
    不倫による慰謝料の消滅時効は、「不倫の事実および加害者を知ったときから3年」と法律に定められています。したがって、配偶者の不倫に悩みながらも特に何の行動も起こさず3年の月日が経過してしまった場合には、慰謝料の請求が認められない可能性があります。

3、不倫慰謝料の求償権とは

離婚することなく不倫相手に慰謝料を請求する場合、必ず気をつけるべき重要なポイントがあります。不倫相手が持つ「求償権」という権利です。
「求償権」とは、「不倫相手が自分の負担割合を超える金額の慰謝料を支払った場合、あなたの配偶者に対し、負担割合を超えて支払った部分を請求できる権利」のことです。つまり、「自分だけが罪を償わなければならないのは不公平だ!」という意味です。

今後も夫婦関係を継続していき、夫婦の財布が一緒である場合は、不倫相手が求償権を行使するとあなたの財産も減ってしまうことになりかねません。しかし、それでは納得がいかないでしょう。

そこで実務では、示談することを条件として不倫相手に「求償権を放棄する」旨の約束をさせるケースが多いです。示談書や公正証書に求償権の放棄を記載すると、不倫相手は今後求償権を主張できなくなります。
ちなみに、前述の「不倫の責任割合」については、個別具体的な状況に基づき判断していきます。この判断もなかなか難しいのですが、一般的には、不倫に対する積極性や、男女間の社会的地位の差、年齢差などさまざまな事情が考慮されています。詳しくは、不倫問題に詳しい弁護士に相談されることをおすすめします。

4、離婚しない場合、慰謝料の相場はどのくらい?

不倫の慰謝料について明確な定めはなく、当事者間の合意さえあれば基本的にいくらでも構いません。しかし、話し合いがまとまらない場合には裁判手続きに移行し、裁判官が金額を決めることになります。

一般的に、離婚する場合よりも離婚しない場合の方が、慰謝料が低くなる傾向にあります。離婚しない場合の慰謝料の相場は「50万円~100万円程度」が目安といわれていますが、精神的苦痛や有責性の度合い、経済状況などを総合的に考慮して決定されるため、一概には言えません。

前述の通り、慰謝料は「不倫による心の傷」に対する損害賠償です。心の傷や精神的苦痛を金額として算出するのは難しいですが、客観的に見て、有責性が高いことや悪意の下行われていることが認められるなどすれば、高額になる傾向があります。
たとえば、「婚姻期間が長い」、「不倫相手が妊娠していた」、「不倫が長期間に及んでいた」、「不倫のショックで体調を崩して精神科に通院し始めた」などの考慮すべき事情があると、その分慰謝料が高くなる可能性があります。

5、不倫相手に慰謝料を請求する手順

不倫相手への慰謝料請求は、一般的に以下のような流れで行います。すべて自力で行うことも可能ですが、「法律知識に不安がある」「不倫相手に直接会いたくない」という方は早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。

  1. (1)証拠を集める

    まずは、不倫の事実を客観的に証明する有力な証拠を集めるのがポイントです。配偶者と不貞相手のメッセージ・写真・動画などのやりとり、ラブホテルの領収書やクレジットカードなどは重要な証拠になるでしょう。また、探偵事務所に証拠集めを依頼するなどの方法があります。一つひとつは証拠として弱くても、複数を組み合わせることで説得力を持つこともありますので、地道に集めましょう。

  2. (2)内容証明郵便を不倫相手に送る

    次に、不倫相手に「不倫による慰謝料を支払ってください」という旨の内容証明郵便を送ります。内容証明郵便の書き方については、ネットで検索すればたくさんサンプルを見つけることができるでしょう。 末尾に弁護士の名前が記載されていると、不倫相手は事態を深刻に受け止める可能性があります。弁護士に内容証明郵便の作成を依頼するのも、効果的な方法でしょう。

  3. (3)示談書、公正証書を作成する

    不倫相手が不倫の事実を認め、慰謝料の支払いに応じた場合、不倫相手との間で示談書と公正証書を作成しておきましょう。

    示談書には、「不倫の事実」「慰謝料の金額と支払い条件」「不倫関係を解消する約束」「求償権の放棄」を記載することが多いです。次に、同じ内容を公正証書(公証役場で公証人立ち会いのもと作成する公文書)にします。

    公正証書に「慰謝料の支払いを怠った場合は強制執行を受けても構いません」(強制執行認諾文言)と書いておくと、万が一不倫相手が慰謝料を支払わなかった際に、わざわざ裁判手続をとることなく強制執行をかけることができます。

  4. (4)話し合いがまとまらない場合は裁判手続きへ

    不倫相手と話し合いがまとまらない場合は、裁判手続へ移行するケースもあります。
    裁判は、原告であるあなたの弁護士が訴状を裁判所に提出することで始まります。訴えられた不倫相手は、本人または弁護士を通して「答弁書」を提出します。その後、裁判所で、お互いに「準備書面」を提出しあい、主張、反論を繰り返していくのが基本的な流れです。
    最終的には、裁判官がお互いの言い分や証拠などを見聞きした上で判決を下すことになります。

6、まとめ

不倫相手に慰謝料を請求する際には、冷静に準備を進めていくのがポイント。しかし、不倫による精神的ショックでそれが難しいこともあるかもしれません。

その場合は、不倫の実務経験が豊富な弁護士に早めに相談することをおすすめします。あなたに代わって弁護士が適切な手続きを行ってくれるだけでなく、疑問点についてもアドバイスをくれるからです。

一口に“不倫”といっても、夫婦の数だけさまざまな事情があります。対応が遅れると不倫相手による証拠隠滅や時効期間の経過などさまざまな弊害も起こりうるため、一人で悩まず、ベリーベスト法律事務所 名古屋オフィスまでご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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