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離婚するときに残っている住宅ローンの対処法と気をつけるべきポイント

2018年05月14日
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離婚するときに残っている住宅ローンの対処法と気をつけるべきポイント

結婚してしばらくすると、住宅ローンを組んで家を買う機会があるものです。35年などの長期ローンを利用するケースもあるでしょう。住宅ローンを設定するときには、まさか将来離婚するとは考えていないものですが、ときには夫婦関係が不和となり、やむを得ず離婚するケースもあります。

住宅ローンの返済中に離婚する場合、どのような方法で進めたら良いのでしょうか?
財産分与としての住宅の評価方法、具体的な分け方、名義や連帯保証人の問題など、検討しなければならない問題が山積みです。

今回は、離婚の際に住宅ローンがある場合の問題点と対処方法を解説します。

1、離婚するとき、返済中の住宅ローンがある場合にすべきこと

離婚するとき、返済中の住宅ローンがある場合にすべきこと
  1. (1)住宅は、財産分与の対象になる

    離婚するとき、夫婦に共有の財産があれば、「財産分与」が必要です。

    財産分与とは、夫婦が離婚の際、共有財産を分割することです。
    婚姻中は、夫婦のさまざまな財産が共有状態になっていますが、離婚後は共有のままにしておけないので、夫婦それぞれの取り分に分割する必要があるのです。
    財産分与をするときには、基本的に夫婦が2分の1ずつの割合で取得します。

    夫婦が婚姻中に取得した不動産(家)も、財産分与の対象となります。
    自宅不動産に価値があれば、夫婦が2分の1ずつに分け合うことになります。家に住宅ローンがついている場合、住宅ローン付きの家が離婚時財産分与の対象になります。

    しかし、住宅ローンがついている家がある場合、単純に半分にすることは難しいです。
    どのように財産分与を進めたら良いのでしょうか?
    返済中の住宅ローンがあって離婚しようというときに、まず行うべきことを見てみましょう。

  2. (2)不動産のプラスの価値を調べる

    住宅ローン付きの家があって離婚したいなら、まずはその家の「価値」を調べなければなりません。家の価値がわからなければ、財産分与の計算もできないからです。

    このとき調べる不動産の「価値」は、「もし今家を売ったら、いくらくらいで売れるのか」という相場です。住宅ローンを無視したものでかまいません。

    不動産の価値を調べるときには、一般的に、「不動産会社」に簡易査定を依頼します。
    簡易査定とは、登記簿の情報や路線価、周辺の取引事例などをもとにして、各不動産業者が簡単に不動産評価額を算出することです。
    離婚前に簡易査定をしたいときには、お近くの不動産会社に依頼しても良いですし、ネットの一括査定を利用してもかまいません。
    同じ家でも、査定する業者によって金額が大きく異なってくるので、複数の業者に依頼して、平均値を採用すると良いでしょう。

  3. (3)ローン残高の確認

    次に、住宅ローンの残高を確認する必要があります。
    住宅ローンが残っている家の場合、プラスの価値があるとは言っても、そこから住宅ローンの残債を差し引かないと、正確な価値を算出できないからです。
    住宅ローンの残高は、借入先の金融機関に照会すればわかりますし、金融機関から送られてきている返済予定表などを見ても確認できます。

  4. (4)アンダーローンかオーバーローンかを確認

    次に、アンダーローンオーバーローンかを計算しましょう。

    アンダーローンとは
    物件価格が住宅ローンの残債を上回っている状態です。
    自宅不動産を全体的に評価して、プラスの価値があるということです。この状態であれば、物件を売って住宅ローンを完済することができます。


    オーバーローンとは
    物件価格が住宅ローンの残債を下回っている状態です。この場合、離婚時に自宅を売却しても、住宅ローンを完済できず、残ローンが残ってしまいます。


    不動産業者に出してもらった不動産の査定価格から、残債額をマイナスして、プラスになるかマイナスになるか、計算しましょう。
    その結果、プラスであればアンダーローン、マイナスになっていたらオーバーローンです。

  5. (5)債務者名と、配偶者が保証人になっていないか、確認

    離婚前、住宅ローンの設定契約書を確認して、主債務者や連帯保証人を確認することも重要です。
    夫か妻のどちらが主債務者となっているのか、連帯債務者の設定になっているのか、ペアローンの設定にしていないか、配偶者や親などが連帯保証人になっていないかなど、契約内容把握しましょう。

  6. (6)家の名義を確認

    自宅不動産の所有名義人を確認しておくことも必要です。
    たとえば、夫が住宅ローンを組んでいて、全部が夫名義(単独名義)になっていることもありますが、一部妻名義にしていたり、半分妻の名義を入れて、共有名義にしていたりすることもあります。

    建物は夫婦の名義でも、土地は妻の両親の名義、などということもあります。
    両親など第三者の名義が入っていると、その部分は財産分与の対象から外れますので、登記簿を見て不動産名義を正確に確認しましょう。

  7. (7)売却するか住み続けるか決める

    住宅ローン返済中の家であっても、離婚後にどちらかが住み続けることは可能です。
    そこで、夫婦のどちらかが継続居住を希望しないか、確認しましょう。
    どちらも家に住みたい、ということであれば、どちらかが譲らないと離婚できません。

    もしも「どちらも家に住まない」ということであれば、家を売却しなければなりませんが、その場合、売却を依頼する不動産業者の選定や仲介の依頼が必要となってきます。

  8. (8)どちらかが住む場合、住宅ローンの負担方法を決める

    離婚後も、夫婦のどちらかが住居に住み続ける場合には、住宅ローンの負担をどのように続けていくのかが問題となります。
    基本的には、住居に住み続ける方が住宅ローンの負担をすべきですが、妻が子どもと一緒に家に住み、夫が住宅ローンを負担し続けるという解決方法なども可能です。

    どのような方法をとるにしても、離婚後、夫婦双方の生活が苦しくならないように、持続可能な解決方法を設定しておくことが重要です。

2、離婚するときの住宅ローンに対して考えられる対処方法4つ

離婚するときの住宅ローンに対して考えられる対処方法4つ

次に、離婚時に住宅ローンの残債が残っているときに、検討しうる対処方法を4つ、ご紹介します。

  1. (1)任意売却する

    1つ目は、任意売却です。

    任意売却とは?
    任意売却とは、残債務が残っている不動産について、借入先の銀行(金融機関)や保証会社の了承を取り、通常の市場で売却することです。
    売却して得られたお金は、まずは金融機関への残債の支払いに充てて、残った分は不動産の所有者が受け取ります。


    任意売却をすると、競売などによって売却されるより高額で売れることが多いですし、プライバシーも守られるので、債務者にとっても金融機関にとってもメリットが大きいです。
    また、離婚時に住宅ローン負債の問題や夫婦間の財産分与の問題を一気に解消できるので、後々の紛争にもつながりにくい利点があります。

    離婚後に、夫婦が双方とも家に住み続けることを希望しないならば、任意売却を前向きに検討すると良いでしょう。

    任意売却の注意点
    ただし、任意売却をしても、必ず高く売れるとは限りません。
    離婚時に不動産の相場が下がっていると、損をしてしまう可能性もありますし、不動産仲介業者の手数料等も引かれるので、必ずしも「不動産査定価格-残ローンの金額」が手元に入ってくるわけではありません。

    任意売却後の処理
    離婚するとき、任意売却によって家が売れたら、残債を支払った残りがプラスになるケースとマイナスになるケースがあります。
    プラスになった場合には、あまったお金を夫婦で2分の1ずつに分け合います。このとき、もともとの不動産の所有名義の割合とは関係なく、2分の1ずつになります。
    たとえ、夫の単独名義にしており、妻が専業主婦であったとしても、夫婦の離婚時財産分与割合は2分の1ずつとなるので、覚えておきましょう。
    マイナスになったら、完済まで返済を継続する必要があります。

  2. (2)夫(住宅ローン名義人)が住み続ける場合

    次に、離婚後に、住宅ローンの名義人が住み続けるケースを考えてみましょう。
    この場合、住宅がオーバーローンかアンダーローンかが問題となります。
    アンダーローンであれば、不動産にプラスの価値があることになります。
    そこで、住宅を取得する側(たとえば夫)は、そのプラスの価値の半額分を、妻に代償金として支払わなければなりません。

    具体例
    たとえば、3000万円の価値がある家があり、残ローンが1000万円とします。
    すると、2000万円のプラスになります。この場合、離婚時に夫が家をもらうのであれば、妻に対し、1000万円をキャッシュで支払う必要がある、ということです。
    また、住宅に妻名義が入っているならば、離婚の際に夫名義に変更する必要があります。

  3. (3)妻が住み続ける場合

    次に、離婚後、住宅ローンの名義人以外のものが住み続けるケースを考えてみましょう。

    具体例
    たとえば、夫名義の住宅ローンがあり、妻と子どもが家に住み続ける場合などです。
    この場合、「離婚」という理由のみにより、住宅ローンの名義人を変更することは、通常困難ですので、夫が継続的にローンを負担することになりやすいです。
    すると、妻は夫に対し、離婚後、賃料相当の費用を毎月支払うことなどを取り決めるべきです。
    また、住宅ローン返済中に家の名義を妻に名義変更すると、銀行との関係で問題が生じることがあるので、名義変更は住宅ローン完済後にするなどの対処も必要です。


    妻に資力がある場合には、妻名義で別の住宅ローンを組み、今の夫名義の住宅ローンを完済することなども可能です。
    また、妻の実家が残ローンを完済し、家を夫から買い取る方法なども考えられます。

  4. (4)どちらかの実家が頭金を出している場合の考え方

    よく問題になるのが、夫か妻のどちらかの実家が、住宅購入時に家の頭金を出しているケースです。この場合、単純に夫婦で住宅を「2分の1ずつにすれば良い」ということにはなりません。
    実家が出した金額に応じて、夫と妻の取り分を計算し直す必要があります。
    実家がまとまった頭金を出している場合、オーバーローンにはなりにくいので、以下ではアンダーローンのケースを前提に、具体的な計算例をご紹介します。

    具体例(あくまで一例です)
    たとえば、購入価格5000万円の家があり、妻の実家が出した頭金が1500万円、離婚時の不動産評価額が4000万円、残ローンが3000万円、というケースを考えてみましょう。

    まずは、不動産の価値を計算します。
    不動産評価額は4000万円、残ローンが3000万円ですから、価値としては1000万円です。これが、財産分与の対象です。

    次に、妻の両親が出した頭金の割合を計算します。すると、以下の通りです。
    1500万円(妻の実家が出した頭金)÷5000万円(もともとの購入価格)=30%
    この時点で妻の取り分が30%確保され、残りの70%部分を夫婦で分けることとなります。

    先ほど計算したように、不動産の価値は1000万円です。妻は30%である300万円を確保するので、残りの700万円を夫婦で2分の1ずつにします。
    すると、妻の取得分は300万円+350万円=650万円となります。
    夫の取得分は、350万円です。


    これが、基本的な住宅ローンの計算方法です。
    たとえば不動産を任意売却した場合には、上記の計算方法により、夫婦双方が現金で分け合うことになります。
    夫もしくは妻が住み続ける場合の相手への価格賠償でも、上記の計算によって、相手に支払う代償金などを計算します。

3、離婚するときの住宅ローンの手続きで気をつけておくべきこと

離婚するときの住宅ローンの手続きで気をつけておくべきこと

最後に、離婚の際、住宅ローンの手続きで注意すべき点をいくつかご紹介します。

  1. (1)住宅の名義変更について

    まずは、住宅の名義変更の問題があります。
    これは、離婚後も夫婦のどちらかが家に住み続ける場合の問題です。
    離婚時財産分与をするときには、基本的に家に住み続ける人が家を取得すべきですから、居住を希望する側に名義変更する必要があります。
    名義変更するときには、管轄の法務局で申請すると、財産分与を理由として登記することができますし、贈与税は発生しません。

    ただ、住宅ローンの名義人と家に住む人が異なる場合には、銀行などの債権者が家の名義変更に同意しない可能性があります。
    この場合には、住宅ローン完済後に名義変更をすることも検討しなければなりません。

  2. (2)住宅ローンの名義変更について

    次に、住宅ローンの名義人を変更すべきケースがあります。
    これは、家に住む予定者と住宅ローンの名義人が異なるケースです。

    まず、家に住み続ける人に収入があり、新たに自分名義で住宅ローンを設定できるのであれば、別の金融機関に申し込むなどして、住宅ローンの借り換えをしましょう。
    また、家に住み続ける方の実家からまとまったお金を出してもらい、住宅ローンを完済する方法もあります。

  3. (3)連帯保証人を外す手続きについて

    夫婦の一方や親族などが連帯保証人になっている場合でも、その当事者が家に住まないことがあります。その場合、保証人を外しておかないと、将来のトラブルの元になります。
    ただ、保証人を外す手続きにも金融機関の同意が必要なので、離婚時の夫婦間の話し合いで勝手に決められるものではありません。
    通常、別の連帯保証人を差し入れたり、別の不動産への抵当権設定を求められたりするため、保証人を外すことが困難になるケースもあります。
    そういったケースでは、上記で紹介したように、住宅ローンの借り換えをすると、前のローンがなくなるので、自動的に保証人も外れることができます。

  4. (4)居住者以外が住宅ローンを負担するリスク

    もう1つ、離婚後に夫婦の一方が家に居住し、他方が住宅ローンを負担する場合の注意点があります。このように、居住者以外のものが住宅ローンを負担すると、住宅ローン債務者がローンを支払わなくなるリスクがあります。支払いをしなくても、家がなくなるだけで自分にはリスクが及ばないためです。
    そうなると、金融機関から一括返済を迫られたり競売を申し立てられたりして、居住者が立ち退きを迫られるケースがあるので、注意が必要です。
    このような問題があるので、離婚時に住宅ローンがある場合、できれば、ローンも自分の名義にしておく方が安心です。

  5. (5)口約束ではなく公正証書として残す

    最後に、離婚の際に住宅ローンつきの家についての取り決めをしたら、その内容を離婚協議書にまとめて、公正証書化しておくことをお勧めします。
    離婚時に財産分与や養育費の支払いなど、さまざまなことを約束しても、離婚後に守られなくなることがよくあります。その場合、公正証書があると、相手が不払いを起こしたときに、すぐに差押えをすることができるからです。
    また、公正証書で約束していると思えば、相手も「滅多なことでは破れない」と思い、支払う動機につながります。

    以上のように、住宅ローンの残っている家がある夫婦が離婚をするときには、非常に複雑な問題がたくさんあります。
    自分たちで協議しても解決できないことが多いので、お困りの場合には、離婚問題の実績豊富な弁護士まで、お気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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