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親権と監護権は分けることができる? 分けるメリットとデメリットとは

2021年11月01日
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親権と監護権は分けることができる? 分けるメリットとデメリットとは

令和元年の名古屋市人口動態調査によると、名古屋市における令和元年中の離婚件数は4144組です。前年からは150組減少していますが、依然として相当の数の夫婦が離婚に至っていることがわかります。

離婚する夫婦に未成年の子どもがいる場合に避けて通れないのが親権の問題です。双方が親権を譲らない場合、紛争が長期化する可能性も十分あります。しかし、子どもに関してドロ沼の争いを続けるのは、夫婦にとってはもちろん、子どもにとっても過酷なことでしょう。

そんな時に、親権と監護権とを分離するという選択肢もあることをご存じでしょうか。本記事では、親権と監護権を分ける意味とメリット・デメリットについて、弁護士が説明します。

1、親権と監護権の違い

  1. (1)親権とは

    親権とは、未成年者の子どもを育てたり、子どもの財産を管理するために、親に与えられた権利および義務のことです。父母が婚姻中の場合は、共同親権として、父母の両方に親権が認められています。父母が協力して子どもの監護・養育にあたるべきだからです。しかし、父母が離婚する際には、どちらか片方に親権を決めなければなりません。

    親権の具体的な内容には、次の3つです。

    ① 身上監護権(民法820条)
    身上監護権とは、未成年の子どもの世話をし、教育を受けさせたり、自らしつけを行いながら育てることです

    ② 財産管理権(民法824条本文)
    財産管理権とは、子どもの財産(預貯金など)を管理する権利です。小さな子どもが大きな財産を持つことは通常ありません。しかし、祖父母から多額の贈与を受けた場合などは、子どもの財産を本人の代わりにしっかり管理しなければなりません

    ③ 法定代理権
    法定代理権とは、子どもが何らかの法律行為をする時に、その代理人となって法律行為をすることです。たとえば、賃貸借マンションを借りる時には、賃貸借契約を交わしますが、法律行為にあたるため、子どもに代って親権者が契約を交わすことになるのです
  2. (2)監護権とは

    監護権とは、上記の親権のうち、身上監護権だけを取り出したもののことです。監護権を得られると、子どもと一緒に生活をして生活全般の世話を行うことができます(民法820条・監護教育権)。

    逆に、親権を取得しても、監護権が認められなければ、子どもと一緒に生活することはできません。監護権者になると、子どもと暮らすことになるため、次のような権利が認められます。

    ① 居所指定権(民法821条)
    子どもの生活の拠点(居所)を決める権利です。監護権は、ひとことでいえば子どもと一緒に暮らすことができる権利ですので、その住所を含む居住環境を自分で決めることができるわけです。逆に言うと、子どもは、監護権者が決めた場所で生活しなければなりません。居所指定権は親の権利ですが、あくまで子どものために認められる権利です。したがって、子どもの福祉に反するような居所の指定は、監護権者の権利濫用になります

    ② 懲戒権(民法822条)
    懲戒権とは子どもに対して厳しく指導する権利と考えればよいでしょう。一緒に生活し、教育やしつけを行う以上、必要に応じて子どもに対してしっかりとした指導を行うことも認められているのです。ただし、近年では、親などの監護者による幼児虐待も増えており、懲戒権に対してはマイナスなイメージも強くなっています。懲戒権は、あくまで子どもの健全な成長のために認められるもので、子どもを傷つける暴力や人格を否定するような暴言などは決して許されません

    ③ 職業許可権(民法823条1項)
    未成年の子どもにとって社会に出て働き、何らかの責任を担うということは大きなリスクを伴う可能性があります。そこで、監護権を持つ親は、子どもが働く場合の許可を出す権限を持っています。また、子どもが不適切な仕事をしている場合には、それを取り消したり、仕事を制限することができるといえるでしょう

2、親権と監護権を分離するメリットとデメリット

  1. (1)単独親権制度とは

    日本では、離婚する場合、父母のいずれかを親権者としなければなりません。離婚後の共同親権制度を認める国もありますが、日本では単独親権制度を採用していますつまり、離婚すると、必ずどちらかの親が親権を失ってしまう仕組みです

    また、親権者を決めるまでは離婚ができません。離婚届に親権者を記載する欄があり、空欄のままでは受理されないからです。未成年の子どもをもつ夫婦が離婚する際には、親権に関する話し合いと取り決めは、決して避けられない問題なのです。

  2. (2)親権と監護権を分けるのはどんな時?

    父母が離婚する場合、通常は、親権をもった方が、身上監護権、法定代理権、そして財産管理権などの権利をすべて把握することになります。

    しかし、法律上は、これらの親権に属する権利のうち、身上監護権のみを取り出して、もう片方の親に残すことも可能です。比較的よく見られるのは、親権は父親が持ち、母親が身上監護権を取得するというケースです。

    この方法は、離婚した後でも、父母の両方が子どもに対して権利を持つことができるため、勝つか負けるかの一択しかない親権争いに、新しい解決をもたらします。離婚するだけでも生活上の変化が大きいうえに、子どもとの関係でも親権を失うとなると、親にとってはダメージがさらに大きくなるため、なかなか話し合いが進まない場合もあります。

    そんな時に、親権と監護権とを分けるという提案をすれば、話し合いが進むこともあるのです

  3. (3)親権と監護権を分離するメリット

    親権と監護権とを分離することで得られるメリットには、次のような点があります。

    ① 早期解決のきっかけ
    離婚で争う時に、もっとも深刻になるのが親権問題です。離婚そのものに合意しているのに、話が進まずに停滞してしまうと、新しいスタートを切ることができません。また、不安定な状態が続くと、子どもに対する影響も心配です。自分をめぐって親が争うことは、子どもにとって大きな負担になる可能性があるからです。

    このような場合、親権と監護権を分けあうという提案によって、協議が進む可能性があります。親権と監護権を分けることによって、父母のどちらも、子どもに対する権利を残すことができるため、自分だけがすべてを失うという事態を避けられるからです。

    ② 子どもと暮らせない親が子どもと心理的なつながりを持てる
    離婚後、子どもと離れる親は、子どもとの関係性が次第に薄まっていきます。物理的に離れている以上、この点はある程度やむを得ないものです。しかし、親権が残っていれば、子どもとの心理的なつながりを維持することができます

    ③ 養育費を支払ってもらいやすい
    特に子どもが幼い場合には、離婚後に母親が子どもを養育するべきであると判断されがちです。すると、母親が子どもを引き取って育て、父親が養育費を払うというパターンになることが予想されます。この際に、親権争いが激化すると、たとえ母親が親権を獲得しても、父親が腹を立ててしまい、養育費を払わないという強硬手段に出る可能性があります。

    もちろん、養育費の不払いに対しては、強制執行などの手段があります。しかし、それらの手段に出るのは大変なことですし、できればスムーズに払ってもらいたいところです。養育費を払う側に親権を認めることで、子どもに対する責任感やつながりが増し、結果として養育費をスムーズに払ってもらえるという効果が期待できるでしょう

  4. (4)親権と監護権を分離するデメリット

    次に、親権と監護権を分けるデメリットについても確認しておきましょう。

    ① 親権者の同意が必要な時に面倒
    親権者には子どもの法律行為を代理したり、財産を管理する権利があります。したがって、子どもにとって重要な法律行為の場面では、普段子どもと生活している監護権者だけでは進められない手続きがあるのです。たとえば、子どもが交通事故に遭った場合の損害賠償請求手続きなどは、親権者でなければ代理人として手続きできません。こうした場合に、監護権親だけで手続きできない点がデメリットといえるでしょう。

    ② 子どもの氏の変更が親権者にしかできない
    親権者にだけ認められる権利のひとつに、子どもの氏を変更する権利があります。離婚すると、婚姻によって夫婦となった片方が戸籍を抜けることになります。日本の場合は、夫を筆頭主とする戸籍に、妻が入る形をとることが多く、この場合、妻が夫の戸籍を抜けることになります。これによって、父と母の名字が別々になります。

    そして、離婚後に、子どもが母親と同じ名字を名乗ろうとすれば、子どもの氏(名字)を母親の氏に変更する申し立てをする必要がありますが、親権者以外は行うことができないのです。

    父親を親権者とした場合には、父親に手続きをしてもらう必要がありますのでご注意ください

    ③ 再婚相手との養子縁組
    離婚後に監護者が再婚することもあります。そして、その再婚相手と子どもが養子縁組をしようとする場合、子どもが15歳未満の時には、親権者による承諾が必要です。たとえば、子どもの監護権者として5歳の子どもを育てている母親が、新しい男性と再婚し、自分の子どもと再婚相手との新しい家庭を築こうとしたとします。

    この時に、子どもを再婚相手の養子にしようとすると、親権者である元夫が承諾しなければ養子縁組届が出せないのです。この点は、監護権者側にとってはデメリットでしょう。

3、親権者・監護権者の決め方

  1. (1)話し合い

    離婚を決意したら、離婚の条件とともに親権者についても十分に話し合いましょう。この際に、親権と監護権の分離をひとつの選択肢として挙げると、スムーズに協議ができる可能性が高まります。なお、親権と監護権の分離は、それほど一般的とはいえず、実際にどういうことが起きるのか、自分たちのケースについて確認をしておいた方がいいでしょう。確認する際には、離婚だけでなく親権や監護権について経験豊富な弁護士に相談することをおすすめします。

  2. (2)調停

    父母間の話し合いで親権を決められない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てます。調停は家庭裁判所の調停員が間に入って、当事者の言い分を聞きながら協議を進めてくれる場です

    親権争いの場合は、子どもにとってふさわしい環境がどちらなのかを確認するために、家庭裁判所の調査官による調査が入ることもあります。また、子どもの意思も重要なポイントですから、家庭裁判所で子どもが意見を聞かれるケースもあります。調停で両者が合意すれば調停が成立し、離婚が成立するともに、親権者や監護権者が決定します。

  3. (3)訴訟

    調停はあくまで話し合いの場です。したがって、双方がどうしても納得しなければ、調停は不成立で終了します。その場合は、最後の手段である離婚裁判を行います。裁判では双方が自分の主張を、それを裏付ける証拠を提出し、それに基づいて裁判官が判決を下し、決着がつきます。

4、親権・監護権が獲得できない時はどうしたらいい?

  1. (1)弁護士に早めに相談する

    離婚時の親権や監護権について争いになりそうな場合は、早めに弁護士に相談しましょう。親権と監護権の違いや交渉のポイントについても、アドバイスを受けることができます。親権や監護権を獲得するためには、重要な主張ポイントがあります。そのポイントをしっかり押さえて相手と交渉することで、親権や監護権を得られる可能性が高まるでしょう。

  2. (2)面会交流を申し立てる

    親権や監護権の獲得が難しい場合には、たとえ、子どもと離れてしまっても、定期的に子どもと交流するため「面会交流」を申し立てましょう。面会交流は、親にとってはもちろんですが、子どもにとっても、離れて暮らす親とコミュニケーションをとり、健全に成長していくために重要な機会です。

    監護権を得られない場合には、面会交流をきちんと権利として確認しておくことが何よりも重要です。また、面会交流を相手に積極的に認めることで、相手から親権や監護権を譲ってもらうきっかけにすることもできます。親権と監護権の交渉に行き詰まりを感じたら、面会交流を併せて検討することで打開のきっかけを見いだしましょう。

5、まとめ

子どもと一緒に暮らしたいという希望は、監護権を取得できればかなえることができます。権利関係にはこだわらず、とにかく子どもと一緒に暮らしたいという希望があるのであれば、親権を相手に譲って自分が監護権を得るという選択肢も視野に入れましょう。

離婚後も子どもが安心して健やかに成長してほしいというのは、多くの親の願いでしょう。その願いを実現するために、親権と監護権という2つの権利を理解して、自分たちに適した選択肢を選べるように話し合いをしてみてください

ベリーベスト法律事務所 名古屋オフィスでは、親権問題に経験豊富な弁護士が在籍し、親身にお話をうかがっています。ぜひ一度ご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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