配偶者が浮気している! 気がついた時点で弁護士に相談すべき理由

2020年02月21日
  • 不倫
  • 浮気
  • 弁護士
  • 相談
配偶者が浮気している! 気がついた時点で弁護士に相談すべき理由

愛知県の発表によると、平成30年の愛知県内の離婚件数は、12652組(前年比181組増加)で2年連続の増加となり、人口1000人あたりの離婚率は173(前年比0.03ポイント上昇)で、全国8位です。さらに県内の二次医療圏別にみると、名古屋市を含む名古屋・尾張中部医療圏(1.85)がもっとも離婚率が高いことがわかっています。

離婚の背景には、いわゆる浮気や不倫があるというケースは少なくありません。配偶者が浮気をしたとなれば、離婚を考えることは当然のことです。そのようなときこそ、早期に弁護士に相談してください。離婚をするにしてもしないにしても、配偶者と離婚の話し合いをする前のほうがさまざまな策がとれる可能性が高まります。配偶者の浮気に悩み離婚を考えている方に、ベリーベスト法律事務所 名古屋オフィスの弁護士が対策をお伝えします。

1、「浮気」と「不貞行為」の違いとは?

誰しも、配偶者の裏切りには深く傷つくものです。しかしながら、個人の感じる「浮気」と、法律上の不法行為としての「不貞行為」は基準が異なるケースは少なくありません。

まだ離婚を決めかねているとしても、法的に問題がある行為なのかどうかを確かめておきましょう。

  1. (1)肉体関係を伴う交際だったかどうか

    相手が浮気をしたときは、相手が離婚に合意しなかったとしてもあなたからの離婚が認められる、慰謝料を請求できるということを聞いたことがある方は少なくないでしょう。しかし、一方的な離婚の要求や慰謝料の請求が認められるためには、法的な根拠が必要です。

    一般的には浮気といわれますが、法的に浮気を示す言葉は、「不貞行為」と呼ばれています。そもそも夫婦は婚姻という契約を結んだ時点で貞操義務が発生しています。不貞行為とは、まさにその信頼を裏切る行為であることから、不法行為にあたると考えられているのです。

    相手が浮気をすると一方的な離婚の要求や、慰謝料請求が認められる根拠は、不法行為だからといえます。ただし、「不貞行為」として認められる行為は、過去の裁判事例から「配偶者以外の第三者との性行為を伴う交際」である場合が一般的です。

    あなた自身としては「ふたりきりで食事に行った」「キスをした」などの事実があれば、疑いなく浮気と思うかもしれません。しかしながら、法的にはこれらの行為だけでは一方的に離婚ができる条件には該当しないのです。

  2. (2)「不貞行為」は「不法行為」……離婚しなくても慰謝料は請求できる

    民法第709条において、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と定められています。損害賠償や慰謝料請求の多くは、この民法第709条を根拠としています。

    慰謝料とは、精神的な損害に向けて支払われる損害賠償です。離婚に至らないまでも、精神的苦痛を被ったのであれば、慰謝料を請求できます。

    ただし、不貞行為の結果、離婚に至ったかどうかは慰謝料の金額に影響します。また、慰謝料請求権にも時効がある(原則として、不貞行為を知った時点から3年)ので、浮気を察したら、なるべく早めに弁護士に相談しましょう。

2、浮気を問い詰める前に、弁護士に相談すべき3つの理由

浮気について、すぐに本人に問いただしたい気持ちもよくわかります。しかしながら、浮気を疑っている段階で、先に弁護士に相談することをおすすめします。以下にその理由を解説します。

  1. (1)冷静さを欠いた、その場の勢いでの発言は損のもと

    浮気を疑ってすぐ当事者同士で話をしてしまうと、売り言葉に買い言葉になりがちです。その場の勢いで「離婚する! 顔も見たくないから慰謝料もいらない」などと言ってしまっては、相手の思うつぼかもしれません。

    冷静になって「本当は離婚したくなかった」「慰謝料や養育費をちゃんと決めてから離婚すべきだった」と後悔することもありえます。第三者に相談することで、状況が整理され、自分がどうしたいかの本当の気持ちも見えてくるかもしれません。

  2. (2)浮気の証拠を隠されてしまう

    浮気の証拠の有無は、今後の交渉や法的手続きにおいて非常に重要となります。

    直接相手を問い詰めてしまうと、それまでの通話やLINEの履歴の削除や証拠破棄、口裏合わせなどをされるなどして、証拠を隠されてしまうおそれがあります。むしろ、浮気に全く気づいていないと油断させておいたほうが証拠を集めやすくなるでしょう。

    証拠集めの方法がわからなければ、事前に弁護士に相談してアドバイスを受けてください。特に、通信内容やプライバシーにかかわる証拠は、証拠集めの仕方によっては、違法行為をしてしまうこともあるため注意が必要です。

  3. (3)安易な別居は要注意

    浮気で信頼関係が崩れた、もう同じ屋根の下にはいたくない、とすぐにでも別居を考える方がいらっしゃいます。しかし、たとえば別居が長期に及ぶと、離婚をしたくなかったのに離婚に応じざるを得なくなる可能性も出てきてしまいます。

    少し冷静になり、自分の行動が今後の交渉において不利にならないようにするには、事前に弁護士に相談することをおすすめします。

3、離婚したらどうなる? 弁護士が解説

離婚に踏み切る前に、離婚することで得られるメリットとデメリットについて改めて検討してみましょう。離婚の影響とその対策は、家庭の状況によって千差万別です。離婚問題に対応した経験が豊富な弁護士に相談し、アドバイスを受けてもよいでしょう。

  1. (1)経済面の不安と対策

    特に専業主婦(専業主夫)の方や、乳幼児の育児中の方は、離婚を躊躇する傾向があるようです。そのもっとも大きな要因は、経済面ではないでしょうか。あなたが正社員として働いている状態ならば、そこまで心配することはないかもしれません。

    経済面の不安への対策としては、以下が挙げられます。

    ●慰謝料請求
    不貞行為の立証ができれば、慰謝料を相手側(不貞をした配偶者と浮気相手)に請求することができます。経済面の安定が得られたならば、精神的な苦痛も一定の回復をみることになるでしょう。

    ●養育費
    子どもがいて離婚後もあなたが育てるのであれば、離婚後の養育費を取り決めてください。離婚しても、親であれば子どもに対する扶養義務は失われません。ただし、相手が子どもを引き取った場合はあなたが養育費を支払う義務が発生します。

    ●財産分与
    婚姻期間中に形成した財産は、夫婦で共同して築いたものとして、半分ずつ分け合うのが原則です。ただし、婚姻前の貯金や遺産など固有財産はこの限りではありません。

    ●行政からのサポート
    ひとり親家庭に対しての給付金や住居、職業あっせんなどの行政サポートは、お住まいの市区町村によって異なります。念のため、確認しておくとよいでしょう。

    相手側との交渉を冷静に進めることが難しければ、弁護士を介して行ったほうがよいでしょう。弁護士であれば、話し合いで決まったことをまとめた離婚協議書を強制執行認諾付き公正証書とするなど、支払いが履行されないときの対策も十分に立てることができます。

  2. (2)心理面の不安と対策

    離婚による心理面への影響は意外と大きなものです。メリットとしては、あなたを裏切り不貞行為をするような配偶者と離れることで、あなたの心身が安定する可能性が高いでしょう。

    それでも、パートナーを失う喪失感や、ひとりで子育てをするという重圧や将来への不安を感じる日もあるかもしれません。さらに、相手側が慰謝料や養育費の支払いを拒んだり親権争いをはじめたりした場合は、長期間にわたる係争になる可能性は否定できません。離婚に踏み切るためには、ある程度の覚悟が必要なこともあります。

4、浮気を弁護士に相談するときに準備することは?

弁護士に浮気の相談をする場合、どんな準備をするとよいでしょうか。

  1. (1)浮気の証拠となるもの

    弁護士に浮気について相談に行くのなら、現時点での証拠となるものを持参するとよいでしょう。

    具体的には、誰が見ても肉体関係を伴う交際をしていることがわかる写真やSNSの記録があるとベストです。もしなければ、第三者の証言、クレジットカード明細、ホテルの領収書なども証拠となる可能性があります。その他にも、会話の録音データ、スケジュール帳、手帳の記録などもとっておきましょう。

    もちろん、現時点では証拠が何もなくても問題ありません。弁護士はこれから証拠を集めるためのアドバイスを行います。

  2. (2)夫婦の資産状況がわかるもの

    口座残高や源泉徴収票など、夫と妻、双方の資産状況がわかる情報があると、離婚後に手にする資産の見通しがある程度得られます。また、離婚話が浮上した後、相手側が財産を隠すことを防ぐことができるでしょう。

    資産状況を確認したうえで、離婚するかどうか、離婚後の生活をどうするか決めるのも考え方のひとつです。

5、まとめ

配偶者の浮気が発覚したとき、離婚だけが結論になるとは限りません。離婚という選択はせず、浮気の慰謝料だけ請求することも可能です。

配偶者の浮気が原因で離婚を考えている方は、ベリーベスト法律事務所 名古屋事務所の弁護士までご相談ください。離婚調停や裁判に発展したとしても、離婚問題についての知見が豊富な弁護士が親身になってお話を伺います。安心してお任せください。あなたが明るい未来に踏み出すために全力でサポートいたします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています