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みなし相続財産とは?非課税枠についてもわかりやすく解説

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2019年09月24日
  • 遺産を受け取る方
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みなし相続財産とは?非課税枠についてもわかりやすく解説

相続は、誰もが避けては通れない身近な法律問題です。司法統計によれば、平成29年度中に名古屋地方裁判所で取り扱われた家事審判・調停のうち「相続の放棄の申述の受理」は10150件、「遺言書の検認」が933件、「相続財産管理人選任等(相続人不分明)」が833件でした。

突然身内の相続が開始したとき、あわてて相続手続きについて調べる方も多いかもしれません。難解な法律用語がならぶ中で、とりわけややこしいのが「みなし相続財産」です。厳密には相続財産ではないにもかかわらず、一定額以上では相続税が課税される財産のことを指します。

ご家族が亡くなり相続が開始すると、遺言書の検認や相続財産の調査、遺産分割協議などを経て、該当の場合には、10ヶ月以内に相続税の申告・納付手続きをしなければなりません。その際、この「みなし相続財産」も含めて計算した正確な相続税を把握しておく必要があります。

注意すべきは、「みなし相続財産」だからと言って、全てに相続税が課税される訳ではないということです。「みなし相続財産」のうち死亡保険金と死亡退職金については、残された遺族の生活を守る意味で非課税枠が定められているのです。

この記事では、「みなし相続財産」の特徴から注意点まで、名古屋オフィスの弁護士がわかりやすく解説します。

1、みなし相続財産とは

  1. (1)民法上では相続財産でないが、税法上は相続財産とみなされる

    みなし相続財産とは、死亡時点では被相続人の財産ではなかったけれども、死亡を原因として相続人が取得する財産のことです。
    たとえば、死亡保険金や死亡退職金が代表的で、死亡保険金(保険料を被相続人が負担しているもの)は被相続人の死亡後に保険会社から、死亡退職金は勤め先の会社から支払われるお金です。
    厳密には相続財産ではありませんが、被相続人の死亡をきっかけに相続人が財産を得たという点で実質的に相続財産と同じであると考え、相続制度全体における不公平をなくすためにこのような扱いをしています。
    民法上の相続財産には該当せず、相続手続きも不要です。しかし相続税法上では相続財産とみなされるため、しっかりと納税を行わなければなりません。

    原則として相続税の対象となるのは、現金・預貯金・株式・債券などの金融資産、不動産、宝石・貴金属・美術品などの動産のほか、金銭債権や著作権や特許権など経済的価値のあるもの全てです。
    しかし経済的価値があっても、さまざまな配慮から相続税がかからないものがあります。そのような財産を、「非課税財産」と言います。

    非課税財産の一覧
    •相続人が取得した死亡保険金の一定額(500万円×法定相続人の数まで)
    •相続人が取得した死亡退職金の一定額(500万円×法定相続人の数まで)
    •お墓、仏壇など日常的に拝んでいるもの
    •公益事業を行う者が取得した、公益事業のための財産
    •相続税の申告期限までに国・地方公共団体・特定公益法人(日本赤十字社、日本ユニセフ協会など)に寄付した財産
    •心身障害者扶養共済制度に基づく給付金の受給権
    •個人経営の幼稚園に使用されていた財産のうち要件を満たすもの
    •相続財産である金銭を申告期限までに特定公益信託に支出した場合におけるその金銭

    「みなし相続財産」である死亡保険金や死亡退職金の一部も、一定額までは「非課税財産」として扱われることになります。そのため節税対策としてよく利用されているのです。
    「みなし相続財産の非課税枠」については、後ほど詳しく解説します。

  2. (2)香典や弔慰金は「みなし相続財産」扱いになる?

    被相続人の死亡をきっかけに遺族が得るお金としては、他に香典や弔慰金などがあります。香典や弔慰金も、「みなし相続財産」として課税されるのでしょうか?

    まず香典については、遺族に対する贈与として考えられています。本来遺族が負担すべき葬儀費用の一部を、参列者が負担しているからです。香典の金額が社会通念上相当な金額を超えている場合には、贈与税が課税される可能性もあります。
    ちなみに香典のお返しについては、相続財産から控除することができません。この点は、葬儀費用と異なります。

    次に弔慰金ですが、こちらも原則として相続税の課税対象ではありません。しかし弔慰金が高額になる場合は死亡退職金として「みなし相続財産」として扱われることがあります。
    たとえば被相続人が仕事中に死亡した場合、給与3年分相当額を超える弔慰金が支払われた場合には、その超える部分の金額がみなし相続財産として相続税が課税されます。

2、みなし相続財産の特徴

  1. (1)原則遺産分割の対象とならないが、不公平な場合は「持ち戻し」になることも

    みなし相続財産は民法上の相続財産ではないため、原則として遺産分割協議や遺留分減殺請求の対象にはなりません。
    しかし、複数いる相続人のうち誰かひとりだけが高額な死亡保険金や死亡退職金を受け取ったら、明らかに不公平と思えるかもしれません。このような場合、どうすべきでしょうか?

    死亡保険金や死亡退職金の受取人に指定された相続人は、原則として他の相続人に分配する必要はありません。受取人固有の財産として、丸々自分のものにしていいと考えられています。

    しかし相続人間の不公平があまりにも大きすぎる場合は、死亡保険金や死亡退職金についても相続財産として計算するべきであると判断された事例もあります。これを「持ち戻し」と言います。
    具体的には、まず死亡保険金の金額を相続財産にプラスし、それに法定相続分を掛けて算出した各相続分から死亡保険金を差し引いた金額が受取人の相続額となります。

    平成16年10月29日の最高裁判決では、そもそも死亡保険金とは生前被相続人が保険料を負担した結果として受け取れるものであることを強調した上で、「その他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合」には、死亡保険金も持ち戻しの対象とするべきだと判断しました。ちなみに「特段の事情」には、保険金受取人が被相続人と同居して介護に貢献していたかどうか、各相続人の生活状況なども含まれます。
    そのほかにも、相続人である子ども2人のうち片方だけが1億円もの死亡保険金を受け取った事例(平成17年10月27日東京高裁)、相続人である先妻の子ども2人と後妻のうち後妻だけが"遺産の過半数"にあたる総額約5150万円の死亡保険金を受け取った事例(平成18年3月27日名古屋高裁)などが持ち戻しの対象になると判断されています。後者の事例では、亡くなった男性と後妻の婚姻期間が約3年半と短かったことも考慮されました。

  2. (2)相続放棄しても死亡保険金や死亡退職金を受け取ることができる

    もうひとつの大きな特徴としては、相続放棄をしても死亡保険金や死亡退職金を受け取ることができるという点があります。しかしその場合は、非課税枠がなくなってしまうので注意が必要です。「5、相続放棄との関係は!? みなし相続財産の注意点」で詳しく説明します。

3、みなし相続財産の種類一覧

死亡保険金や死亡退職金以外にも、さまざまな種類のみなし相続財産があります。

  1. (1)契約によるもの

    ①死亡保険金(共済金)
    契約者(保険契約を結んだ人)、被保険者(その人が亡くなったときに保険金がおりる人)、保険料負担者(保険料を支払っている人)が同一の場合に、みなし相続財産として扱われます。なお、相続人の生活保障のための非課税枠(500万円×相続人数)があります。

    ②死亡退職金
    勤務先から支払われる死亡退職金で死亡後3年以内に支給額が確定しているものも、みなし相続財産です。3年後以降に支払われる場合は、相続人の一時所得として所得税・住民税の課税対象となるので注意が必要です。死亡退職金についても、死亡保険金と同じ理由で非課税枠が定められています。
    また、名目が弔慰金、葬祭料などであったとしても、実質的に死亡退職金として支払われると判断された場合にはみなし相続財産となります。

    ③生命保険契約に関する権利
    被相続人が保険の契約者でない場合の生命保険契約に関する権利は、みなし相続財産となります。ただし、被相続人が保険の契約者で、かつ、保険料の負担をしている場合は、みなし相続財産ではなく、本来の相続財産になります。

    ④定期金に関する権利
    生命保険会社の個人年金など、定期的に支払われるお金のことです。相続開始のときにおいて、まだ定期金の給付事由が発生していない定期金給付契約で、その掛金を被相続人が負担しており、かつ、被相続人以外の人がその契約者である場合における定期金に関する権利については、みなし相続財産となります。国民年金の遺族基礎年金や厚生年金の遺族厚生年金は、相続税の課税対象ではありませんので注意してください。

    ⑤保証期間付定期金に関する権利
    被相続人が年金などを受け取っている期間中に亡くなった場合、相続人が残りを受け取ることになります。このような保証期間付定期金についての権利も、みなし相続財産です。国民年金や厚生年金は相続税の対象ではありません。

    ⑥契約に基づかない定期金に関する権利
    被相続人の死亡によって受ける定期金に関する権利で、契約に基づかないものに関する権利はみなし相続財産となります。たとえば、企業退職年金などです。

  2. (2)遺言によるもの

    ①信託の受益権
    信託とは、財産の運用・管理を信託銀行などのプロなどに任せることです。一定の手数料を支払う代わりに、運用利益を受け取ることができます。被相続人が相続財産を遺言で信託していた場合、相続人が受け取る利益が相続財産となります。

    ②特別縁故者への分与財産
    内縁の配偶者、献身的に看護・介護してきた相続人以外の人などを特別縁故者と言います。法定相続人がいない場合、「特別縁故者に対する相続財産分与の申し立て」を家庭裁判所に行い、それが認められれば相続財産となります。

    ③債務免除益
    相続人が被相続人に対して負っていた借金などの債務を、遺言で免除(大幅に減額)してもらった場合などが該当します。

    ④低額譲り受けによる利益
    被相続人の遺言によって相続人が財産を低額で譲り受けた場合も、差額が「みなし相続財産」となります。たとえば、時価3000万円の不動産を800万円で譲り受けた場合には、2200万円が、相続財産となります。

    ⑤その他の経済的利益
    上記以外にも、遺言によって何らかの利益を受けると「みなし相続財産」となる可能性があります。

4、知っておきたい、みなし相続財産の非課税限度枠

前述のとおり、みなし相続財産のうち死亡保険金と死亡退職金には非課税枠があります。いずれも遺族の生活保障が本来の目的ですから、全額に相続税を課税するべきでないという考えに基づいています。非課税額の計算方法は、以下の通りです。

500万×法定相続人の数×その相続人の受け取った死亡保険金(死亡退職金)の合計額÷相続人全員の受け取った死亡保険金(死亡退職金)の合計額

たとえば、相続人である妻と子ども2人のうち妻が2000万円、子ども2人が500万円ずつの保険金を受け取ったケースで計算してみます。

妻:500万円×3人×2000万円÷3000万円=1000万円
子ども1:500万円×3人×500万円÷3000万円=250万円
子ども2:500万円×3人×500万円÷3000万円=250万円

この場合、妻は差額の1000万円について、子ども2人はそれぞれ250万円ずつが、みなし相続財産として相続財産に加算されます。

5、相続放棄との関係は!? みなし相続財産の注意点

  1. (1)相続放棄をするとみなし相続財産の非課税枠がなくなる

    すでにお伝えした通り、みなし相続財産は税法上相続財産と同様に扱われているものであって、民法上はあくまでも相続財産ではありません。
    そのため、相続放棄の手続きをしたとしても、死亡保険金や死亡退職金などは問題なく受け取ることができます。

    しかし、上述のとおり、相続税が課税される場合もあるので注意しましょう。
    この場合でも、他の相続人たちは、相続放棄した人を"法定相続人の数"に入れて非課税枠を計算することができます。

  2. (2)相続人以外が受け取った場合には非課税枠の適用なし

    相続人以外の人が生命保険金を受け取った場合にも、相続税が通常通り課税されます。たとえば代襲相続人ではない孫、内縁の配偶者などです。

  3. (3)非課税枠がなくなっても、基礎控除は使える

    相続税額は、相続財産総額から「3000万円+600万円×法定相続人数」の基礎控除額を差し引いた金額に相続税率を乗じて算出しますが、この基礎控除は相続放棄をした場合でも使用できます。

6、まとめ

みなし相続財産の概要と注意点について解説しました。民法上は相続財産ではないのに相続税の課税対象になる、しかもさまざまな例外あり……と少々複雑です。
相続税の納付期限は、相続開始から10ヶ月以内です。大切なご家族が亡くなった後、悲しみに耐えながら法律手続きを正確に処理していくのはとても負担が大きいはずです。
複雑な相続手続きをスムーズに進めるためにも、早い段階で税理士に相談することをおすすめします。相続手続きについてお困りの場合は、ベリーベスト法律事務所 名古屋オフィスにご相談ください。経験豊富な税理士が、弁護士とも連携し、煩雑な相続手続きについてサポートします。

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