家族が痴漢で逮捕されたそのとき! すぐに弁護士に依頼する5つのメリット

2019年09月18日
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家族が痴漢で逮捕されたそのとき! すぐに弁護士に依頼する5つのメリット

名古屋市営地下鉄東山線は、以前から痴漢が多発しており、女性専用車両がいち早く導入された路線でもあります。もしもあなたの家族が、通勤・通学時に痴漢の疑いをかけられ捕まってしまった場合、自分ひとりで冷静に対処することは難しいのではないでしょうか。冤罪、前科、解雇、退学……いろんな言葉が頭をよぎるかもしれません。

しかし、逮捕されただけでは有罪となったわけではありません。弁護士に依頼することで、前科をつけずに早期解決となる可能性が残ります。万が一、あなたの家族が痴漢で逮捕されたとき具体的に何をすべきかについて、名古屋オフィスの弁護士が解説します。

1、痴漢で問われる罪状と刑罰

痴漢行為は、迷惑防止条例違反、または強制わいせつ罪に問われる可能性があります。

  1. (1)愛知県迷惑行為防止条例違反

    服の上から触れる痴漢は、迷惑防止条例違反が適用されるケースが多数を占めます。

    名古屋市内で痴漢をした場合、愛知県迷惑行為防止条例第2条の2に違反したとして、「1年以下の懲役」または「100万円以下の罰金」に処せられることになるでしょう。常習の場合は「2年以下の懲役」または「100万円以下の罰金」となります。(同法第15条)

  2. (2)強制わいせつ罪(刑法第176条)

    下着の中に手を入れ、直接肌を触れる、性器を触れるなどの痴漢行為は強制わいせつ罪に問われる可能性があります。

    強制わいせつ罪で有罪となれば、「6ヶ月以上10年以下の懲役」が科せられます。罰金刑の設定がなく、執行猶予がつかなければ刑務所に収監されることになるでしょう。

2、逮捕後の手続き

痴漢で逮捕された場合、どのような処遇を受けるのか、大まかな流れを見ていきましょう。
逮捕後は刑事訴訟法に従って手続きが進んでいきます。

  1. ①現行犯逮捕 または逮捕令状による逮捕
  2. ②警察による取り調べ(48時間以内)
  3. ③検察へ送致(身柄ごと送致 または身柄釈放し書類のみ送致)
  4. ④検察による取り調べ(身柄ごと送致の場合24時間以内)
  5. ⑤検察が裁判所に「勾留(こうりゅう)」を請求、裁判所が勾留を認める(最長20日間の身柄拘束)、または、勾留は行わず、釈放して在宅事件扱いへ
  6. ⑥検察が起訴か不起訴か判断する(勾留期間内、在宅事件扱いのときは捜査が終わり次第)
  7. ⑦裁判(起訴の1~2ヶ月後から開始)


以上の流れを大きく分けると「取り調べ(最大72時間)」、「勾留(最大20日)」、「起訴不起訴の判断」、「裁判」という段階があります。

詳しくは後述しますが、「取り調べ」に該当する逮捕から勾留の可否が判断されるまでの72時間の間は、原則として弁護士以外の者が接見することができません。そのため、家族であっても直接話をすることはできず、本人の状況がわからないという状態に陥ります。

3、逮捕されただけでは前科はつかない

逮捕された時点ではあくまで「罪を犯した疑い」があるだけといえます。マスコミなどで「容疑者」と呼ばれ実名報道される可能性がありますが、逮捕されただけでは罪を犯したと確定したわけではありません。冤罪の可能性もあるのです。

前科がつくのは、起訴され、裁判で有罪判決を受けた場合です。

  1. (1)逮捕後72時間が重要

    逮捕後、勾留が認められてしまうと、逮捕から最長で23日間も自宅に帰ることができなくなります。仕事や学業にある程度の影響が及ぶことが避けられないでしょう。

    早期の身柄釈放のためには、勾留請求前の逮捕から72時間以内に弁護士に依頼し、弁護活動を開始することが非常に重要といえるでしょう。この段階で、逃亡や証拠隠滅のおそれがないという主張を認めてもらうことができれば、釈放される可能性があります。その後、日常生活を続けながら任意の取り調べに応じることになります。

    逆に、痴漢での逮捕をおそれるあまり、痴漢が発覚した現場から逃走するのは得策ではありません。その後の捜査で、被疑者として身元を割り出され逮捕された場合、逃亡のおそれがあるとして身柄釈放が認められにくくなるでしょう。

  2. (2)不起訴処分

    日本の司法では起訴された事件の99.9%が有罪となっているため、前科を避けるという観点からは、不起訴処分を目指すことも重要と言えるでしょう。不起訴処分には、「起訴猶予」、「嫌疑不十分」などがあります。

    痴漢の罪を認めているケースでも、初犯で本人が十分に反省している、被害が軽微である、被害者が処罰を望まない場合などは「起訴猶予」となる可能性があります。起訴猶予を得ることができれば、被疑者となったあなたの家族に痴漢の前科はつきません。

    痴漢を否認している場合は、犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分である場合にされる「嫌疑不十分」などの不起訴処分がなされる可能性があります。

4、痴漢容疑がかけられた場合、弁護士に依頼するメリット

痴漢の疑いをかけられただけでもパニックになってしまう方もいるでしょう。万が一に備えて、すぐ相談できる弁護士や弁護士事務所の連絡先を知っておくことは、非常に重要です。

痴漢事件で弁護士に依頼するメリットは、以下の5つがあげられます。

  1. (1)逮捕の回避

    電車での痴漢であれば、駅のホームで駅員に引き渡され、警察を呼ばれることになるでしょう。逮捕による身柄拘束は、証拠隠滅のおそれがあり、逃亡のおそれがある場合に限られるのが原則です。

    この時点で弁護士に現場に来てもらうか電話を通じて事情を把握してもらえば、警察と話してもらったり、必要なアドバイスを仰いだりすることもできるでしょう。逮捕の必要性がないと説得できれば、その場での逮捕は免れる可能性もあります。

    また、任意の取り調べを受けるにあたって、弁護士に対し、取り調べ時の対応についても相談することもできます。不本意な自白への対策なども取ることができるでしょう。

  2. (2)逮捕後のフォロー

    逮捕された場合、前述のとおり、原則として、家族であっても面会して話をすることはできません。ただし弁護士であれば、逮捕後も何回でも被疑者と接見することが可能です。

    弁護士が、被疑者に代わって家族や職場・学校との連絡を依頼したり、証拠を集めて意見書を提出したりすることができます。

  3. (3)迅速な示談交渉

    刑事事件における示談交渉では、加害者に対し、罪を認め謝罪するとともに、賠償金や慰謝料を含めた示談金を支払うことやその金額について話し合いをします。加えて、謝罪等を受け入れて罪を許し、処罰を望まないとする「宥恕(ゆうじょ)文言」を示談書に記載することも被害者に検討してもらいます。

    不起訴処分になるか否かは、さまざまな理由により判断されますが、被害者が処罰を望まない場合、そのことも重要な事情として考慮され、不起訴処分となる可能性があるでしょう。

    ただし、刑事事件の加害者側が示談を希望したとしても、被害者側が、直接加害者本人やその家族と交渉することを拒むケースも多いです。特に、痴漢事件は性犯罪であり、その特徴は顕著ともいえます。そもそも警察側が加害者本人に被害者の個人情報を伝えることはあまり考えられず、そのため、示談交渉そのものができないケースもあるようです。

    しかし、選任された弁護士であれば、示談交渉を進められる可能性があります。もし、示談が早く成立すれば、身柄拘束からの解放のタイミングが早まる可能性もあるでしょう。

    また、示談金は被害者の心証によっても大きく左右され、時に法外な額を要求されることもあるかもしれません。そのような場合にも、弁護士にご相談いただければ、被害状況等、さまざまな事情を加味しつつ、示談金についてのアドバイスもさせていただくことができます。

  4. (4)不起訴処分や執行猶予について

    初犯であること、反省していること、身柄引き受け体制が十分にあること、再犯を防ぐためのカウンセリングを受けることなど、さまざまな事情を検討し、不起訴処分が相当である場合には、弁護士がその旨を検察官に主張します。
    起訴猶予となれば、前科を避けることができます。

    もし起訴され、罪を認める場合であっても、同様に、前科の有無や再犯の可能性がないこと、社会内での更正を期待できること等、被告人にとって有利な情状を主張、立証します。
    有罪であっても、執行猶予が付いた場合には、収監されることなく、日常生活を送りながら更生を図ることができます。

  5. (5)冤罪の回避

    痴漢の容疑を否認している場合、「嫌疑不十分」による不起訴処分を得るには、犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分であることを主張する必要があります。また、真実に反して警察や検察側の主張に沿った自白をしないことが大切です。

    強引な取り調べに屈さないためには、弁護士の支えと、証拠や証人集めなどの弁護活動が欠かせません。このような場合も、ぜひ弁護士にご相談ください。

5、まとめ

痴漢で逮捕された場合、早期に適切な対応をしていくことが望ましいといえます。弁護士にご相談、ご依頼いただければ、接見を通じて逮捕された本人から状況などを直接聞き取るとともに、被害者との示談交渉等必要な弁護活動を行うことができます。

家族が痴漢容疑で逮捕されてしまった方は、まずはベリーベスト法律事務所 名古屋オフィスへ相談してください。名古屋オフィスの弁護士であれば、刑事事件に対応した知見を活かし、力を尽くします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています