もしも未成年の息子が盗撮で逮捕されたら? 親としてすべきこと
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少年犯罪自体は平成22年から減少しており、盗撮事件自体はどちらかというと成人による犯行が多い印象ですが、未成年による盗撮事件もゼロではありません。名古屋市内でも10代の男性が盗撮をしていた案件が、地方自治体や警察の発表を配信している不審者情報提供サイトで頻繁に取り上げられています。
もし未成年の息子が盗撮の疑いで逮捕されてしまった場合、親としてはどのような行動をとればいいのでしょうか? 容疑者として逮捕された段階ではまだ容疑が確定しているとは限りませんので、息子の潔白を信じるという道もあるでしょう。しかし、場合によっては本当に盗撮をしていて、すでに自白しているケースもあるかもしれません。逮捕後72時間は家族との面会や通話が制限されるため、真実を直接聞き出すことはできないでしょう。
盗撮で息子が逮捕されたらどうなるか、そしてその際に親が取るべき行動について、名古屋オフィスの弁護士が解説します。
1、未成年の盗撮は「少年事件」になる
未成年の盗撮は「少年事件」に分類されます。少年事件とは、20歳未満の未成年者が事件を起こすことを指す言葉であり、少年法によって裁かれます。
少年法は通常の法律とは趣旨が異なり、犯罪者を処罰するというよりは、未成年者の健全な育成を促すことが主な目的の法律です。そのため、保護や更生といった側面から処罰が決定されることが多くなります。
2、未成年が盗撮で逮捕された後はどうなる?
未成年者が盗撮で逮捕された後の流れについて見ていきましょう。未成年でも何かしらの犯罪行為をした場合は警察に逮捕され、少年法に基づいて裁きを受けることになります。
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(1)逮捕および勾留
未成年者が盗撮で逮捕された場合、警察は、逮捕後48時間以内に被疑者を検察に送致するか、もしくは釈放するか決めなくてはなりません。
検察に身柄を送致された場合、24時間以内に捜査が終了しない場合は、通常は勾留請求が行われることになります。少年事件の場合はこのタイミングで少年鑑別所に送られることもあります。少年鑑別所とは、審判まで少年の身柄を収容し、その資質などを鑑別することなどを目的とする施設です。
場合によっては逮捕後すぐ、もしくは10~20日の勾留を経て少年鑑別所に入るケースもあり、事件の重さや取り調べの進捗などから総合的に判断されます。 -
(2)家庭裁判所に送致
事件が家庭裁判所に送られた後は、少年審判を開始するか否かの決定がなされます。審判が開始された場合は何らかの保護処分となったり、検察官に送致され通常の刑事裁判となったりする可能性もあります。
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(3)家庭裁判所の少年審判
少年審判による決定には、下記のようなものがあります。
- 保護処分
- 検察官送致
- 不処分(教育的処置)
- 都道府県知事または児童相談所長送致
殺人などの罪が重い犯罪の場合は検察官送致になり、刑事裁判が開かれます。刑事裁判が開かれるということはすなわち、犯罪者として服役する可能性があるということです。ただし、盗撮事件のみであれば検察官送致になることは考えにくいでしょう。
なお、犯罪事実がほぼ確定している少年審判に要する時間は1時間程度といわれています。
3、少年事件と成人事件はどう違う?
少年事件と成人犯罪の違いは、処分の目的が大きく異なることから生じています。
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(1)原則的に全て家庭裁判所に送られる
少年事件は、原則として全て家庭裁判所に送致され、少年審判を行うか否かの決定が下されます。
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(2)保釈制度は存在しない
少年事件は、原則として保釈制度はありません。保釈制度とは、定められた保釈金の納付を行い、勾留効果を残したまま身柄を釈放する制度のことです。
成人犯罪の場合は、犯した罪に対する処罰という観点が大きいためこのような制度が設けられていますが、少年事件の場合は少年自体の保護という目的があり、逮捕・勾留や少年鑑別所への送付もその一環のため、保釈金の納付による保釈が認められていません。 -
(3)裁判は原則として傍聴できない
成人が刑事事件を起こした場合、その裁判は原則的に誰でも傍聴することができます。しかし、少年事件の場合は検察官送致の決定を受けたとしても、公開の裁判が行われることはありません。
少年事件の裁判を傍聴できるのは被害者のみとされていますが、それにも家庭裁判所の許可が必要です。少年事件では少年の健全な立ち直りを目的とするため、このようにプライバシーに配慮されています。
4、学校や勤務先にバレずに穏便に解決する方法はある?
少年事件を起こしてしまった場合、学校や勤務先にこの事実を知られることなく、穏便に解決する方法はあるのでしょうか?
少年事件の場合、勾留期間の満期を待たずに家庭裁判所に送致されることも多いものです。 拘束期間が長くなればなるほど、学校や勤務先への対応が難しくなってしまい、退学や解雇につながってしまうことも少なくありません。少年事件には保釈制度が設けられていないため、成人による犯罪以上に時間との勝負になる面が大きくなります。
なるべく事態を穏便に収束させるためにも、逮捕の知らせを受けた瞬間から解決に向けて動き始めることをおすすめします。
5、少年事件の経験豊富な弁護士に相談しよう
息子が盗撮などの少年事件によって逮捕されてしまった場合、一刻も早く弁護士に相談しましょう。弁護士に相談することで、早期の問題解決、釈放につなげることができます。
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(1)逮捕後の面会
逮捕・勾留状態にある被疑者と面会することを接見といいます。接見を行うことで勾留中の被疑者の状態を確認したり、必要な情報をやりとりしたりすることができます。その際には書類や物の受け渡しも可能ですので、衣服などを差し入れることもできるのです。
被疑者の両親など家族も、勾留中であれば一般面会という形で接見することは可能ですが、勾留が決まるまでの72時間は、接見を行うことができるのは弁護士のみに限られます。勾留後も、一般面会には制限がつけられることもありますが、弁護士接見はその限りではありません。 -
(2)最適な解決を図る
家庭裁判所の調査官は、少年事件についての情報をさまざまな見地から調査し、それによって裁判官の決定に大きな影響を与える存在です。そのため、調査官に対してどういったアプローチを行うかによって審判の内容そのものが変化することもありえます。
少年事件に対応した経験が豊富な弁護士に相談することで、調査官を意識したサポートを受けることが可能です。 -
(3)学校や職場への適切な対応
弁護士に事件を依頼することで、学校や職場に対しても適切なサポートが行えます。家族では無理でも、法律の専門家である弁護士の意見であれば、耳を貸してくれるケースもあるからです。
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(4)被害者に対する適切な対応や示談交渉
事件を起こしてしまった場合は被害者に対して償いの態度を見せ、示談交渉ができるのであればその方向を模索することが大切です。この点は、少年事件においても、通常の裁判同様です。
示談交渉を行う際にも弁護士のサポートがあれば話をスムーズに運ぶことができ、相手方のゆるしを得て、審判を有利に進めることができるのではないでしょうか。ただ、少年事件の場合は処分の意味が刑罰ではなく少年の保護育成にありますので、示談が成立したからといって必ずしも処分が軽くなるわけではありません。
6、まとめ
万が一、あなたの息子が盗撮で逮捕されてしまった場合、少年事件の実績が豊富なベリーベスト法律事務所 名古屋オフィスへ連絡してください。豊かな経験から導かれる知見によって、事件の審判や処分が終わった後の社会復帰への手助けを行います。
少年事件は保釈制度がないため、スピード勝負になる面があります。事件を起こしてしまったこと自体は取り返しがつきませんが、その後の展開は迅速な行動によって、事態の悪化を防ぐことができます。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています