残業代請求を弁護士に依頼したときの費用は?(サービス業:美容・アパレル・スーパー編)

2018年08月13日
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残業代請求を弁護士に依頼したときの費用は?(サービス業:美容・アパレル・スーパー編)

現在、美容室の数はコンビニの約5倍と言われており、2016年時点での美容室の数は24万3360軒となっています(総務省統計局調べ)。また、同じく2016年では、愛知県の美容室数は1万1971軒であり、東京、大阪に次ぐ3番目の多さです。

毎年平均すると3000軒ほど増え続けていると言われ美容室ですが、早朝の出勤や営業後のカットレッスンなど、営業時間外に店舗にいる時間がどうしても多くなってしまいます。本来であれば、そのような時間も残業代が支払われる時間ではあるのですが、中には支払われないというケースもあり、トラブルになりがちです。

美容業界だけではなく、サービス業全般において残業代のトラブルが起こりやすく、弁護士に相談しようと思ってもなかなか踏み出せないことも多いかと思います。そこで今回は、残業代の請求を弁護士に依頼した際の費用について詳しく解説していきたいと思います。

(出典:「平成27年度衛生行政報告例の概況:統計表8」(総務省統計局))

1、残業代請求を弁護士に依頼するメリットと弁護士事務所の選び方

  1. (1)残業代請求を弁護士に依頼するメリットは?

    自分で会社に交渉してもなかなかまともに取り合えってもらえないというケースは少なくありません。しかし、弁護士へ相談すると、次のようなメリットがあります。

    ① 交渉や書類作成などの手間が省ける
    交渉するにしてもなかなか勇気が出なかったり、証拠集めや書類の作成などは非常に時間がかかってしまいます。弁護士に依頼することでそこに割く時間や労力を、転職活動などにあてることができます。また、弁護士という味方がいることで気持ちに余裕が持てるという方もいらっしゃいます。

    ② 短期間で可能な限り高額な残業代を支払ってもらえる可能性がある
    自分で交渉し続けても会社側に相手にされないことも多く、時間がかかってしまいがちですが、弁護士を間に挟むことによって会社側は無視しにくくなります
    また、無視し続けたとしても労働審判など法的措置をとることにより、高い確率で企業側が支払いに応じる可能性があります

    また、弁護士に依頼することで残業代の計算漏れなどを防ぎ、法的な主張や強い証拠を提示することで、本来支払われるべき残業代を請求することが可能です。

  2. (2)残業代請求に強い弁護士の選び方

    残業問題が得意な弁護士もいれば、離婚問題に特化している弁護士がいるのも事実です。
    その中から残業代の請求に強い弁護士を見極めるために、残業代に強い弁護士事務所の選び方を解説します。

    ① ホームページを確認する
    ホームページに残業代に関する実績が多く掲載されていたり、残業代請求を積極的に取り扱っているのかなどを確認することで、その事務所の実績や対応力などの参考になります。無料相談などを実施している事務所も多いので、確認してみるのも有効です。

    ② 無料相談を利用して直接弁護士に相談する
    残業代を計算する上で、必要な知識は備わっているかどうか、きちんとした説明がしてもらえるかどうかなど、無料相談を利用して直接弁護士と会って見極めるのも良いでしょう。

    勤務形態によっては、残業代の計算方法が変わってきますので、ご依頼者様の職種や勤務形態に合わせて、残業代が発生するケースなどを説明できるか確認することをおすすめいたします。

2、弁護士へ支払う費用の内訳

弁護士費用を支払う際に、実際に自分の代わりに動いてくれるための費用と漠然とした認識である方が多いですが、実際には内訳は細分化されています。

では、それぞれ解説いたします。

  1. (1)相談料

    最近では相談が無料で行える弁護士事務所も多いですが、相談するだけで費用が発生する場合もあります。
    料金が発生する場合は1時間単位での計算になる場合が多いでしょう。

  2. (2)着手金

    着手金は、弁護士へ依頼した際に、正式に契約を結んだときに支払う費用です。
    契約した時点で支払うものですので、残業代請求の成功、失敗に関わらず支払う費用です。

  3. (3)成功報酬

    残業代請求が成功した際に弁護士事務所へ支払うのが成功報酬です。
    具体的な相場はなく、回収した残業代の20%程度を支払うことが多いようです。
    また、前述した着手金が発生しない場合は、成功報酬のパーセンテージが高く設定されている傾向にあるので確認が必須です。

  4. (4)実費・手数料

    事務所ごとに異なるため、必ず確認しておくべき費用に実費と手数料があります。
    実費には弁護士の交通費やコピー代をはじめ、残業代を請求するにあたり必要となった経費を請求されることがあります
    また、残業代請求は、内容証明郵便を利用することが多いのですが、その際の書類などを作成したことに対する費用が発生する場合もあります。
    着手金に含まれている場合も、別途必要な場合もあるので必ず確認しましょう。着手金が無料でも手数料が発生する場合もあります。

3、弁護士費用を抑えるポイントは?

これまで、弁護士へ依頼する際の大まかな相場などを解説してきましたが、少しでも費用を抑えるポイントはあるのでしょうか。

  1. (1)無料相談を利用する

    無料相談を利用することで大まかに請求可能な残業代の額が分かるだけではなく、他の事務所との比較などもすることができます。何度も相談を繰り返すとそれだけで費用が高額になってしまう場合もあるので、無料相談を上手に活用していきましょう。

  2. (2)料金プランを把握し、使い分ける

    前述しましたが、残業代の回収に成功した場合、成功報酬として回収した金額の20%を支払うことになります。また、着手金が無料の場合、成功報酬のパーセンテージが高くなることも説明しました。
    細々とした実費なども含めると正確ではありませんが、回収した金額が多ければ多いほど、着手金を支払った方が費用を抑えることができる傾向にあります。

    例えば、着手金20万円、着手金無料の場合の成功報酬を30%として計算してみます。

    ① 回収した残業代が100万円の場合
    • 着手金なし
    • 着手金0円+成功報酬100万円×30%=30万円
    • 着手金あり
    • 着手金20万円+成功報酬100万円×20%=40万円

    ② 回収した残業代が500万円の場合
    • 着手金なし
    • 着手金0円+成功報酬500万円×30%=150万円
    • 着手金あり
    • 着手金20万円+成功報酬500万円×20%=120万円


    このように、回収した金額によって支払う費用も変わってきます。
    相談時におおよそどのくらいの金額を回収できるかの見積もりを出してもらえるので、参考にしつつ料金プランにも注目しましょう

4、まとめ

必要な費用は事務所ごとに異なります。特に、成功報酬は回収した残業代から引かれることになるため、なるべく多く手元に残したいと思うのは当然のことです。事務所を選ぶ際に、上記の内容を参考にして選んでみてください。

また、費用ももちろんですが、事務所を選ぶ際の一番の決め手は、担当の弁護士が信頼できる人間であるかという点にあるかと思います。相談する上でその事務所や担当の弁護士が信頼に値しなければ、いくら安くても依頼はしないはずです。

当事務所では、ご相談をお受けした時から、実際にご依頼を受けて残業代請求を終えるまで、所員一同丁寧な対応を常に心がけております。
名古屋市近辺で残業代請求についてお困りの方は、ベリーベスト法律事務所 名古屋オフィスへご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています