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家の工事トラブルは誰に相談すればいい? 損害賠償請求の方法を解説

2021年08月11日
  • 損害賠償請求
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家の工事トラブルは誰に相談すればいい? 損害賠償請求の方法を解説

名古屋市の統計によりますと、令和2年の名古屋市内における着工新築住宅の戸数は2万2682件でした。昭和56年以降、着工戸数は2万件を超える年が多く、数多くの方が家を建てていることがうかがえます。

ところが、工事したはずなのに水漏れがする、雨漏りがする、家が傾いている……。このような一部の悪質な業者による、家の工事トラブルは全国的に後を絶たず、社会問題のひとつにもなっています。

そこで、このような工事トラブルに遭ってしまった時に相談すべき先や損害賠償請求の方法について、ベリーベスト法律事務所 名古屋オフィスの弁護士が解説します。

1、工事トラブルで損害賠償を請求することは可能?

損害賠償とは、債務不履行や不法行為により損害を受けた人に対して、その原因を作った人が金銭の支払いその他の方法により損害の埋め合わせをすることです。そして証拠や因果関係の証明など法的な要件さえ整えば、工事トラブルを起こした建設業者に対して損害賠償を請求することは可能です。

工事トラブルにおける民法上の損害賠償は、「債務不履行による損害賠償」と「不法行為による損害賠償」の2つに大別されます。以下で詳しく見てみましょう。

  1. (1)債務不履行による損害賠償(民法第415条以下)

    債務不履行とは、債務者である建築業者などが契約などに基づく債務を自ら履行しないことをいいます。工事トラブルにおいては、納期になっても作業が完成しない、完成した成果物が当初の契約と異なるものだったなどのケースが債務不履行に該当するでしょう。

    民法第415条では、故意や過失など「業者の責任だ」といえる事情によって、債務不履行に陥った場合において、債権者つまり依頼者は損害賠償請求をすることができると定めています。

    債務不履行による損害賠償では、その故意や過失については、建築業者など債務者側が立証責任を負うことになり、債権者には立証責任がありません。つまり、債務者が「債務不履行について、自分たちに故意や過失などはなかった」と立証できなければ、債務不履行は成立するのです。

    民法第416条第1項の規定により、債務不履行による損害賠償が認められる範囲は「通常生ずべき損害のことで通常予見しうる範囲の損害」です。少し分かりにくいのですが、工事の態様や規模などから考慮して、明らかに高額な損害賠償請求はできないということです。

    債務不履行による時効は「権利を行使できる時から10年」もしくは「権利を行使することができることを知った時から5年」のうち、いずれか早いほうの期間で時効が完成します。

  2. (2)不法行為による損害賠償(民法第709条以下)

    民法第709条では、故意または過失がある行為(不法行為)で、他人の権利や法律上保護される利益を侵害し、生じた損害について、その加害者は損害賠償責任を負うと定めています。

    たとえば、納期時には一見完成したと見えても、実は明らかな手抜き工事が原因で水漏れが起きて床が浸水してしまったり、家が傾いて日常生活に支障が出てしまったなどの場合は、建築業者などに不法行為による損害賠償請求が可能と考えられます。

    また、リフォームする必要のない住宅について「床下が白アリに食われている」「屋根が傷んでいる」など虚偽を仕向けて不安をあおり、意味のないリフォーム工事を申し込ませたうえで工事代金などの名目でお金をだまし取る「リフォーム詐欺」工事の実態に照らして不当に高額な代金をだまし取ったりすることも不法行為のひとつです。

    債務不履行による損害賠償請求と異なり、不法行為による損害賠償請求では加害者の故意または過失の有無について、被害者側が立証責任を負うことになります。つまり、「意図的な手抜き工事やリフォーム詐欺などが原因で、自分は損害を被った」という因果関係と事実は、被害者側が立証しなくてはならないのです。

    なお、不法行為に対する損害賠償請求権は、民法第724条の規定により被った損害と加害者を知った時から3年間行使しない時、もしくは不法行為があった時から20年経過した時は時効により消滅してしまいます

2、損害賠償を請求する方法

  1. (1)証拠を集める

    まず、工事を行う前に、契約書や仕様書、発注書などの書面を取り交わしておくことが重要です。工事の範囲や、内容等について争いになることが多いことから、工事を行う前に書面化しておくことが肝要です。その際に取り交わす書面について弁護士に依頼することも、後の紛争を予防することに役立ちます。

    工事トラブルに巻き込まれてしまったときには、当初の契約書や建築業者とのやり取り、欠陥工事の該当箇所の写真など、証拠をしっかりと集めておきましょう。第三者の建築家などから「専門家の目から見えても、明らかに欠陥工事である」というような意見を得ておくことも有効です。

  2. (2)内容証明を送る

    工事トラブルの相手方に債務不履行または不法行為がある場合、先述のとおり一定期間を経過することで、時効が完成してしまいます。

    時効を中断するためには、まず業者に対して、家の欠陥があり、その損害の支払いを求める内容の「催告」を配達記録付内容証明郵便、いわゆる内容証明で送付します。そして相手方に内容証明郵便が送達されてから6か月以内に訴訟を提起すれば、時効は中断します。

  3. (3)示談交渉をする

    示談とは、民事上の争いごとについて当事者間の話し合いによる解決を目指すことです。ここで解決できれば良いのですが、工事トラブルは当事者間の見解の相違などにより水掛け論になりがちなため、どうしても当事者間の話し合いではまとまらないこともあります。

    この場合、日本弁護士連合会が運営する「紛争解決センター」や簡易裁判所による「民事調停」を活用し、当事者だけではなく第三者に間に入ってもらって解決を目指す方法もあります

  4. (4)訴訟を起こす

    示談交渉がまとまらない場合は、いよいよ訴訟を提起することになります。訴訟の流れは、「相手方の居住地を管轄する裁判所に訴えを提起」「裁判所を介して相手方と口頭弁論や主張書面をやり取り」「裁判所から和解勧告ないし判決」といった流れになります。期間と費用は相応にかかることは心にとめておきましょう。

    訴訟では、証拠や過去の判例など法的な側面が重視されます。また、手続きや書面の作成は膨大かつ煩雑です。

3、弁護士に相談するメリット

工事トラブルに遭ってしまった時は、国民生活センターなど行政に相談をすることもできますが、解決に向けてできるだけ早いうちから弁護士に相談することをおすすめします。

また、工事を行う前に、契約書などのチェックを弁護士に依頼することもおすすめします。

工事トラブルの解決に豊富な実績と経験のある弁護士であれば、法的なアドバイスはもちろんのこと、あなたの代理人として相手方業者との示談交渉、さらには煩雑な訴訟の手続きなど、工事トラブルの解決に向けたサポートを行います。そのため、あなた自身で問題解決に取り組むよりも良い結果が期待できるのです。

4、まとめ

住宅の工事トラブルはできるだけ早いうちに解決し、快適な生活を送れるようになりたいものです。工事トラブルの解決は、弁護士があなたの心強い相談先とパートナーになります。
工事トラブルでお困りの時は、ぜひお早めにベリーベスト法律事務所 名古屋オフィスの弁護士にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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