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貸したお金を返してもらう方法│ 警察よりも弁護士へ相談すべき理由とは

2023年01月12日
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貸したお金を返してもらう方法│ 警察よりも弁護士へ相談すべき理由とは

友人・知人間でのお金の貸し借りをすると、その親しさゆえに、精算がいい加減になってしまうことがあります。

貸したお金を「返す返す」と言って返さない、そのうち音信不通になってしまう、口約束のみで借用書がない、というのもよくあるケースです。

このようなとき、警察への被害届を検討する方もいるかもしれません。しかし刑法上、お金を返さないという行為自体が当然に処罰の対象となることはないのです。

では、どのような対処法があるのでしょうか。お金を取り返すには、債権回収の実績がある弁護士のサポートを受けて「支払督促」や「少額訴訟」さらに「民事訴訟」という方法があります。

今回は、貸したお金が帰ってこない場合に、どのように対応すべきかを解説します。

1、「貸したお金が返ってこない」は刑事事件になりにくい

  1. (1)そもそも「借りたお金を返さない」のは犯罪か?

    借りたお金を返さないという行為について、何らかの犯罪が成立するのであれば、警察に通報し、被害届を出すことに意味がありますが、そもそも犯罪は成立しうるのでしょうか。

    結論は、お金を返さないという行為について犯罪が成立する可能性は、低い、と言わざるを得ません。それはなぜか、以下で解説していきましょう

    まず、借りたお金を返さないという行為自体は、当然には刑法上の処罰の対象となりません

    もっとも、法律上、貸したお金を返す義務は当然にあります。お金の貸し借りは、民法の金銭消費貸借契約に該当し、借りたお金を返さないことはその契約上の義務の不履行となりますから、貸主としては債務不履行責任を求めることができます。

    しかし、警察は、民事上の債務不履行責任について、犯罪が成立しない以上は、介入してくれないことも多く、民事不介入の原則と言われています。

  2. (2)詐欺罪が成立する可能性

    他方で、借りた当初からお金を返すつもりが全くないのに、返すと偽ってお金を借りる行為については、詐欺罪(刑法第246条1項)が成立します

    (詐欺)
    第246条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。


    詐欺罪が成立するポイントは、「借りた当初から返す意思がなかった」という点です。裏を返せば、当初は返す意思があった場合には、当然には詐欺罪は成立しません。

    ここで、「借りた側がのらりくらりと言い訳して返さないということは、当初から返す意思がなかったと推定できるだろう!」と思われるかもしれませんが、犯罪行為の認定というのは非常にシビアです。

    そして、「借りた当初から返す意思がなかった」というのは、借りた側の内心ですから、その内心を立証することは極めて困難です。

    それゆえに、借りたお金を返さないという行為について、警察が動く可能性は極めて低いのです。

2、お金のトラブルを、弁護士に相談するべき理由

返済を求めても相手が返してくれなくて、強制的に債権を回収すると決めたとしても、お金を無理やり相手から取り返すことは許されませんから(自力救済の禁止)、法的な貸金回収手段を考える必要があります。

そして、法的な貸金回収手段としては、裁判所に、裁判所貸金の返還を求める民事訴訟を提起して、その勝訴判決をもらい強制執行することなどが挙げられます。

さらに通常の民事訴訟の手続き以外にも、たとえば、支払督促や少額訴訟といった手続きを利用することも考えられます。これらの手続きにより、通常の訴訟より時間がかからずかつ費用も安く貸金の回収を実現できる可能性があります。

ただしそれぞれの手続きによってメリット、デメリットがありますので、適切な手続きを選択する必要があります。この判断は、債権回収の専門家でもある弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に相談すれば、費用対効果やそれぞれの手続きの特徴について聞くことができ、自分に合った方法を選択できるでしょう。お金に関するトラブルは、ぜひ弁護士に相談することをおすすめします。

以下では、支払督促、少額訴訟の手続きについて説明します。

3、簡易な手続きで債権を回収する手段1 支払督促という方法

数十万円の貸金を請求する際には、場合によっては弁護士費用のほうが高くなってしまう、費用倒れになってしまう場合もあります。

そのような場合には、当事者の方自身で貸金の回収をすることも考えられますが、なかなかひとりで訴訟まではできないと不安に感じられるかもしれません。

そのような場合、支払督促という方法が検討できるでしょう。これは、金銭等の請求について、簡易裁判所の裁判所書記官に対して支払督促の申立てを行うことにより、実質的な審理をせずに、支払督促という債務名義(強制執行の際に必要となる、請求する権利の存在や、その内容などを表示した公の書面のことです。)を得られる手続きです。ただし、相手方が異議申立てをした場合には、通常の訴訟に移行します。

この手段のメリットとしては、相手方が貸金の存在や金額に争わない場合、簡易迅速に債務名義が取得できる点にあります。裁判所から書面が届くことによって任意の支払いを促す効果もあるでしょう。

これに対しデメリットとして

  1. ①相手方が支払督促に対して異議申立てを行うと、通常の訴訟手続きに移行し、貸金回収を実現するためには結局通常の民事訴訟を行う必要がある

  2. ②通常訴訟に移行した場合、支払督促を申し立てた裁判所(債務者の住所を管轄する裁判所(民事訴訟法383条1項))において訴訟を行うことになるのに対し、支払督促を利用せず通常の訴訟を提起すれば自宅に近い裁判所で訴訟を提起できる場合に、支払督促を利用したら自宅から遠い裁判所で訴訟を行うことになってしまうリスクがある


などが挙げられます。

支払督促は、相手方が貸金の金額、存否を争っていない場合で、相手方が請求に対し支払う可能性がある場合に迅速に支払いを得る手段として有効といえるでしょう。

なお、どのような手続きが適切かについては、弁護士が具体的な事情を聞きながらアドバイスさせていただくことが可能ですので、ぜひご相談ください。

4、簡易な手続きで債権を回収する手段2 少額訴訟という方法

他に、「少額訴訟」という、通常の訴訟よりも簡単な手続きの訴訟を選択することも考えられます。

少額訴訟とは、請求する金額が60万円以下の場合に、簡易裁判所における1回の裁判期日で審理を終えて判決をすることを原則とする手続きです。この手続きのメリットとしては、原則1回の期日で審理を終えて判決に至るため、通常の訴訟よりも迅速に判決を得られる点が挙げられます。これに対しデメリットとしては、少額訴訟は、原告(お金を請求する側)の言い分が認められる場合であっても、分割払い・支払猶予・遅延損害金免除の判決がされることがあることや相手方が少額訴訟手続きによることに対して異議を申し立てた場合には通常の手続きによる審理に移行する点が挙げられます。

通常訴訟に移行するかもしれない、という条件付きにはなりますが、借金の額が少ない場合で相手方が貸金の金額、存否を争っている場合に低コストの手段として使うことができます。

他方で、内容によっては、少額訴訟を行うことが適さない事案もあるでしょう。どのような手続きを選択するのが良いかについては、弁護士がご相談を聞きながらアドバイスさせていただくことが可能です。

5、貸したお金が返ってこなくなる!? 時効に要注意

貸したお金は、長期間そのままにしてしまうと、「消滅時効」が完成してしまい返してもらえなくなる可能性があります

消滅時効とは、一定期間権利が行使されなかったことによって、その権利が消滅するという制度です。

借金を返、と主張できる権利のことを貸金債権といいます。貸金債権の消滅時効は、民法上次のように定められています。

(債権等の消滅時効)
第166条
債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。
権利を行使することができる時から10年間行使しないとき。


お金の貸し借りにあたって返済期限を設けた場合、当然貸主は返済期限を認識しているといえますから、時効は返済期限がきたときから進行します。したがって、貸したお金は、返済期限がきてから5年で時効にかかってしまうのです

ただし、上記に引用した民法の条文は、2020年4月1日から施行となった新しいルールです。従来は、借入先が貸金業者であれば5年で時効、借入先が個人であれば10年で時効でした(なお、改正法施行日より前に生じた債権には旧法が適用されます。)。

また、返済期限から消滅時効期間がたっているとしても、たとえば、それまでの間に一部でも借金の返済を受けているなど債務が承認されるなどの事情があれば、返済を受けたときからまた新たな消滅時効期間がスタートしますので当初の時効期間が経過していても、債権は消滅しません。

さらに、消滅時効というのは、規定の期間が経過すれば当然に債権が消滅するという制度ではありません。債務者が、「その債権は時効で消滅している!」と主張して(これを、時効を「援用する」といいます)、初めて時効を迎えるのです。そのため、債務者が時効を援用せずに借金を返すのであれば、もちろんそれを受け取る権利があります。

時効については民法上の細かいルールがありますので、心配な方は、弁護士に確認したうえで、督促などの対応を取りましょう。

6、まとめ

友人同士での貸し借りの場合、借用書を作らない、返済期限が来ても強く催促しないという場合が多々あります。誠実な人であれば、何も言わなくても返済するのが当然ですが、中には踏み倒そうとする人も多くいるのが現状です。友人のためを思って貸したのに、と親切心を踏みにじられた気持ちになってしまう方もおられるでしょう。

貸したお金は、きっちり返してもらうべきです。そのためには、友人という関係に甘えさせることなく、決然とした態度で臨むことが肝要です。

もっとも、友人相手にどのように対応したら良いかわからない、まして訴訟など全くやれる自信がないという方も多いと思います。その際には、ぜひ弁護士にご相談ください。ご相談者の方の意向を重視したうえで、最善の策をともに考えます。また、訴訟対応についても当然専門的知識を駆使して対応します。

「貸したお金が返ってこない」とお悩みなら、どうぞお気軽にベリーベスト法律事務所 名古屋オフィスにご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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